研究課題
平成23年度は、最終年度であるため、各分担者の報告を中心とする研究会に加えて、研究の総合と発信に向けての活動を重点的に行った。1 個別の研究会としては、小風秀雅「法権と外交条約の相互関係」(5月25日)、山本秀行「ナチ人種位階制と身分感覚」(10月19日)、古瀬奈津子「摂関期における公卿の政治的身分感覚」(1月18日)を開催した。「身分」という概念が直接の研究対象になりにくい近現代においても、「身分感覚」の視角が発見的意義を持ちうることが、あらためて確認された。2 7月9日にお茶の水女子大学で行われた「国際日本学シンポジウム」の共催という形で、セッション「文学のなかに身分感覚を読み解く」を組織し、海外の研究者(台湾・東海大学の翁育〓氏)を交え、パネルディスカッションを行った。報告者は翁氏のほか、本課題の研究分担者である神田、安成、岸本である。当日は、文学研究者も含め、活発な討論が行われ、「身分感覚」という視角の意義につき、認識を深めることができた。3 2月29日には、総括会議を開き、4年間の研究成果と今後の方向性につき、討論を行った。「研究実施計画」に記載した計画のうち、平成22年度に行った国際シンポジウムの成果刊行という課題は未達成であるが、原稿はほぼ集まっており、近く刊行できる状況である。この4年間の研究を通じ、特に中世・近世について、「身分感覚」研究のさまざまな技法が蓄積されたこと、及び比較の方法について議論が深められたことは、大きな成果であった。この成果をさらに発展させてゆくため、研究代表者及び数名の研究分担者で合議し、狭義の身分のみならずエスニシティやジェンダーを含み時代的変容に焦点を当てる研究課題を企画し、科研費基盤研究Bとして申請し、採択された。
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比較日本学教育研究センター研究年報
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巻: 8号 ページ: 21-25
巻: 8号 ページ: 27-37
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西鶴と浮世草子研究
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