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2008 年度 実績報告書

近世日本社会における中国情報の摂取と北方観の形成

研究課題

研究課題/領域番号 20320098
研究機関筑波大学

研究代表者

浪川 健治  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50312781)

研究分担者 古家 信平  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40173520)
楠木 賢道  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (50234430)
キーワードアイヌ / 弘前藩 / シャクシャイン / 年祝い / 琉球 / 志筑忠雄 / ネルチンスク条約 / 北東アジア
研究概要

浪川は「幕府巡見使と本州アイヌ」(『北東アジアのなかのアイヌ世界』、岩田書院、389-413頁、2008年11月)において、享保2年段階における、本州アイヌを例にした異民族認識のあり方を検討することによって、幕府巡見使の北方観の一側面を明らかにするとともに、弘前藩の政治支配のなかの異民族認識を検討した。また、「境界を越える者-境界としての「くんぬい」と牢人-」(『地域ネットワークと社会変容』、岩田書院、13-39頁、2008年10月)において、寛文9年のシャクシャインの蜂起にあって、「くんぬい」において戦われた戦闘がどのようなアイヌ社会の構造を反映したものであったのか、さらに境界としての同地へ入り込もうとする和人の動向が、いかなる民族間、あるいは幕藩領主間の意図を示すものであったかを歴史的な視点から考察した。
古家は「年祝いにみる擬と再生」(『日本の民俗』第12巻、25-92頁、2009年2月)で、13年ごとに行われる沖縄の年祝いにみられる中国的要素を考察し、カワリモノとしての豚肉にこめられた意味づけなどを琉球王国としての歴史的背景とともに明らかにした。
楠木は19世紀初頭に記された志筑忠雄の『二国会盟録』を中心に、江戸時代知識人の中国情報の摂取と北方観の形成について検討した。その結果、清朝皇帝の王権が、チベット仏教を介してモンゴル帝国大ハーンであり元朝皇帝であるフビライの王権を継承するものであり、清朝とロシアとが何とかプラグマティックにネルチンスク条約を締結できたのは、両国がモンゴル帝国の継承国家であったという理解に、志筑忠雄が到達していたことを明らかにした。その成果は「『二国会盟録』からみた志筑忠雄・安部龍平の清朝・北アジア理解-江戸時代知識人のNew Qing History?-」『社会文化史学』第52号(印刷中)として発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 年祝いにみる擬死と再生2009

    • 著者名/発表者名
      古家信平
    • 雑誌名

      日本の民俗 12

      ページ: 25-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『二国会盟録』からみた志筑忠雄・安部龍平の清朝・北アジア理解-江戸時代知識人のNew Qing History?-2009

    • 著者名/発表者名
      楠木賢道
    • 雑誌名

      『社会文化史学』 52(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 幕府巡見使と本州アイヌ2008

    • 著者名/発表者名
      浪川健治
    • 雑誌名

      北東アジアのなかのアイヌ世界

      ページ: 389-413

    • 査読あり
  • [学会発表] 『二国会盟録』からみた志筑忠雄・安部龍平の清朝・北アジア理解-江戸時代知識人のNew Qing History?-2008

    • 著者名/発表者名
      楠木賢道
    • 学会等名
      社会文化史学会 第44回大会
    • 発表場所
      筑波大学東京キャンパス
    • 年月日
      2008-08-02
  • [図書] 地域ネットワークと社会変容2008

    • 著者名/発表者名
      浪川健治・河西英通(編)
    • 総ページ数
      460
    • 出版者
      岩田書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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