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2009 年度 実績報告書

近世日本社会における中国情報の摂取と北方観の形成

研究課題

研究課題/領域番号 20320098
研究機関筑波大学

研究代表者

浪川 健治  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50312781)

研究分担者 古家 信平  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40173520)
楠木 賢道  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (50234430)
キーワード日本近世 / サハリン / 山丹交易 / 北東アジア / 長崎通辞 / ハリストス
研究概要

本研究によって収集した基本史資料、とくに主要調査地である青森県下北の「原始風土謾筆年表」全巻のデジタル化、同菊池家文書のデジタル化など、これまで未調査であった諸史料のデータ化し分析を行いつつある。このことによって、民衆レベルでの中国およびロシア、そして北方諸民族に関する知識の伝播の実像の解明が図られる。秋田および北海道の史料調査によって長崎通辞馬場為八郎による中国・オランダを介したロシア文化の理解のありよう、近来の藩校における中国知識人の理解、および幕末の蝦夷地分領化政策によって盛岡藩に引き渡されたサハリンの先住民族による山丹交易の実態に関わる史料「松前蝦夷記録」25巻を収集し、データ化に入っている。本年度の研究は、「中華」という象徴化された文化体系からではなく北東アジアの歴史展開に関する実体的な情報が、北方諸民族への認識を踏まえて、いかに近世日本の北方世界観の形成に関係していたかを実態として検証しその歴史像の解明を図るものである。このことによって、従来、十分に展開しきれなかった<周辺>からの日本史像・東アジア像の再検討の基礎が確定し、地理的あるいは空問的な存在のみではなく、社会において差異化され意識化される人間あるいは人間集団をも含む北東アジアという周辺構造の解明を通じ、新しい「日本史」空間と、それと異なる、そして連関する「東アジア史」空間との相互規定的かつ特質的な地域像の解明が展望される。今年度における別記の成果は、その基盤をなすものであり、現在分析中の収集史料との総合的な構成の基盤が作られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 明治初期の日本人信徒による「正教会」理解2010

    • 著者名/発表者名
      山下須美礼
    • 雑誌名

      社会文化史学 53

      ページ: 1-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『二国会盟録』からみた志筑忠雄・安部龍平の清朝・北アジア理解2009

    • 著者名/発表者名
      楠木賢道
    • 雑誌名

      社会文化史学 52

      ページ: 1-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 語られたアイヌ像-記録と伝聞の間で-2009

    • 著者名/発表者名
      浪川健治
    • 雑誌名

      ゆれる境界・国家・地域にどう向きあうか

      ページ: 89-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      浪川健治
    • 雑誌名

      周辺史から全体史へ(清文堂)

      ページ: 1-56(368)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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