研究課題/領域番号 |
20320103
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
狩野 充徳 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30132426)
|
研究分担者 |
岸田 裕之 龍谷大学, 文学部, 教授 (10093585)
古瀬 清秀 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)
西別府 元日 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50136769)
勝部 眞人 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10136012)
三浦 正幸 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80136134)
|
キーワード | 世界遺産 / 厳島 / 伝承 / 伝説 / 厳島神社 / 大願寺 / 神仏混淆 / 中近世古文書 |
研究概要 |
平成21年4月に研究実施計画の打ち合わせを行って、研究の目的と5年間の研究計画全体を再確認し、本年度の個別調査、合同調査・検討会について討議した。併せて図書や備品の購入についても協議した。6月以降、研究代表者・研究分担者は大学院生の協力も得て、厳島を始め、瀬戸内海諸地域・山陰・京阪神・東京など各地で団体或いは個人の実地調査や資料蒐集を実施した。9月、翌22年3月に厳島で合同調査・検討会を行い、関連資料を閲覧・蒐集し、調査結果やその研究成果の発表を受けて討議し、新たな知見を得た。11月、翌22年3月と2回の季例会を開き、厳島研究への意欲を高め、新しい知識が得られた。個々人による個別調査・資料検討は勿論のこと、以上の如き合同調査・合同検討会、季例会を通しても、昨年度の研究成果の上に厳島研究の更なる深化・高度化を図ることが出来た。例えば、周防大島などの瀬戸内海祭祀遺跡等の考古遺物の分析により、平安期までの時系列による考古学的な分析を行った。大願寺の古文書の分析から大願寺の造営活動が厳島神社の附属社殿のみで、本殿・拝殿等の主要な社殿に及んでおらず、従来の見解が否定された。厳島神社の神仏習合については、熊野速玉大社・那智大社・青岸渡寺など、有力神社とそれに関連する仏寺について神仏習合の観点からその社頭景観の調査を行ったり、山口県文書館蔵「毛利家文庫」の調査により、伊勢神宮の御師村山大夫が神仏習合の厳島とどのような関係を持ったかについて考察を進めたりした。また、『広島県史古代中世資料編II・III』所収「厳島文書」のデータベース(人名・地名)を完成させた。こうして本年度の研究成果は、下文の如く質・量共に昨年度を凌ぐ研究論文や著書として纏められている。これらの成果を基礎にして、来年度以後も本課題の研究をより深く、広く継続して行く条件が一段と整った。
|