研究課題/領域番号 |
20320104
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三澤 純 熊本大学, 文学部, 准教授 (80304385)
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研究分担者 |
藤井 譲治 京都大学, 文学研究科, 教授 (40093306)
谷川 穣 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10362401)
佐々木 克 奈良大学, 文学部, 教授 (30115852)
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キーワード | 岩倉具視 / 岩倉具視関係文書 / 明治維新 / 政治社会史 / 功臣遺墨 |
研究概要 |
本科学研究費補助金交付の最終年度となった平成22年度は、新出「岩倉具視関係文書」(以下、本史料群とする)に含まれる約1,700点の史料のうち、前年度までに解読を終えられなかった分の解読を完了し、併せて全史料のデータ入力を進めることを目標とし、これを実現した。この間、入力過程で生じた史料解釈上及び技術的な諸問題を出し合い、その解決策を話し合うことと、新知見の発表を行うことを課題として、9月に京都で研究会を開催した。この結果、本史料群の学術的特徴が、新出史料が数多く含まれる木戸孝允・伊藤博文書翰と、岩倉宛の意見書・報告書類にあることを確認した。これらの中には、東京遷都問題や岩倉遣欧使節問題、西南戦争など、明治維新上、極めて重要なテーマに関わって、従来の見方に再考を迫る史料があることがはっきりしてきた。本科研費メンバーは、それぞれの問題関心に沿って、これら重要史料の整理・分析を進めており、その成果は、本史料群の刊行時に、「解題」として発表することを目指している。 史料解読とデータ入力における、ここまでの成果を踏まえて、上記の研究会以降は、入力データの原稿化に着手し、10月から順次、出版社(思文閣出版)に入稿していった。その結果、22年度末からは初校の校正作業に入るまでにこぎ着けることができた。総体として、本科研費によって、本史料群の整理作業がめざましく進展し、刊行に向けて大きな一歩を踏み出すことができた学術的な意義は、幕末維新期の政治動向の中で、岩倉具視が常に政局の中心にいたことを鑑みても計り知れなく大きいとしなければならない。
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