研究課題/領域番号 |
20320107
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
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研究分担者 |
藤井 雅子 日本女子大学, 文学部, 学術研究員 (20440084)
高山 有紀 新島学園短期大学, キャリアデザイン学科, 准教授 (40279568)
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キーワード | 真言聖教 / 三論聖教 / 真宗聖教 / 史料データベース / 史料調書 / 史料目録 / 新義真言宗 / 古義真言宗 |
研究概要 |
平成20年6月より、研究活動の素材となる諸宗聖教を調査を実施した。京都醍醐寺・奈良東大寺、三重県専照寺・滋賀県善徳寺・富山県行徳寺・愛媛県長隆寺、さらに文京区護国寺において史料調査を行った。特に醍醐寺・護国寺・長隆寺では真言聖教、東大寺では主に三論聖教、専照寺では天台・法相・律宗・真宗聖教、善徳寺・行徳寺では真宗聖教など、諸宗にわたる聖教類について、調書作成と写真撮影を実施し、多くの貴重な研究素材を確保することができた。これらの調査において蒐集した史料は、それらの有効利用を図るため、文化財データ処理の専用システムにより、調書のデータベース化と画像デジタル情報を付加する作業を進めつつあり、さらに史料群ごとに逐次目録の編集を行っている。 また調査と併行して、7月より隔月で研究会を開催し、蒐集史料とその母体となる史料群に関する個別研究の報告を行っている。なおこの研究会は、仏教史・仏教学のみならず、建築史・彫刻史・芸能史の研究者の参加を得て、各宗の聖教類が活用された空間的・社会的な環境の復元的な理解を深めている。 今年度の重要な成果としては、真言聖教という側面から見た新義・古義教学の性格付けの可能性、真宗寺院に継承される天台・法相・華厳・戒律の諸宗聖教から、同宗における余乗の受容と、南都仏教の継承に真宗教団が果たした役割の解明をあげることができる。この成果をより幅広い見解につなげる試みを継続する予定である。
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