研究課題/領域番号 |
20320108
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小口 雅史 法政大学, 文学部, 教授 (00177198)
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研究分担者 |
熊谷 公男 東北学院大学, 文学部, 教授 (70153343)
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 教授 (90125279)
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キーワード | 北方交流 / 津軽海峡 / 続縄文土器の交流 / 擦文土器の交流 / 外来系土器 / 移民の実態 |
研究概要 |
1.交易関係史料悉皆調査…文献グループでは、北方交流関係物産史料の総めくりに入っているが、基本対象典籍49点のうち40点について完了。重要資料でありながら活字本が刊行されていない『愚昧記』『顕広王記』について善本の写真版による収集を完了した。北方物産の交流に関する史料集成の精度を、よりあげることができた。 2.土器を素材とする交流の解明…土器グループでは、当該期の津軽海峡を挟む交流を具体的に示すのとして、続縄文及び擦文土器を取り上げることとし、前年定めた指標にそって、調査とデータベース化を進めた。北海道については、報告書等で土器図版が掲載されているものをデータベース化の対象とし、1報告書を1件として作業した。稠密地域である道央部域を中心とする265件(167遺跡)のデータベース化を完了。最終年度には道東部を中心とする比較的稠密な地域を主な対象としてデータベースの構築を完成させることとした。 3.合同研究会…文献班では津軽・渡嶋蝦夷が関与した元慶の乱について、関係史料の検討を通して乱の再構成を試み、合わせて秋田市・大仙市などの関連遺跡の巡見を行った。また土器班では、北海道埋蔵文化財調査センター収蔵の、本州との関係の深い土器を実見・調査した。その上で本州の土器が北海道の土器に与えた影響について、合同研究会を開催し、北大III式2期と3期の間に画期があること、その時期に東北北部の土器と同形式の土器が渡島半島から道央部に広がることが確認できた。最終年度にはこれらを踏まえて総合的な報告書の刊行を予定しており、それに向けての最終役割分担も確定した。
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