研究課題/領域番号 |
20320109
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮宅 潔 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80333219)
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研究分担者 |
佐川 英治 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00343286)
丸橋 充拓 島根大学, 法文学部, 准教授 (10325029)
佐藤 達郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (30340623)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | 中国古代 / 軍事制度 / 出土資料 / 官制 / 法制 |
研究概要 |
本年度は、研究プロジェクトの集大成として成果報告書を刊行すべく、共同研究者の研究成果について討議を重ね、年度末に報告書『中国古代軍事制度の総合的研究』を作成し、関連研究者や大学図書館に頒布した。報告書に収められた論考は次のとおり。 ・研究動向:中国古代軍事史研究の現状(宮宅 潔)、中国古代の戦争史・軍事史に関する欧米での研究(エノ=ギーレ)、韓国における中国軍事史研究(秦漢~南北朝時代)の概観(金 秉駿) ・論文:中国古代の戦車に関わる諸資料と研究をめぐって(エノ=ギーレ)、秦の戦役史と遠征軍の構成-昭襄王期から秦王政まで-(宮宅 潔)、漢-古朝鮮戦争の復元-『史記』朝鮮列伝再読-(金 秉駿)、漢代に於ける儀礼と軍事-儀仗兵の存在とその性格を中心に-(佐藤達郎)、中国中古軍功制度初探(佐川英治)、南朝における外号将軍の再検討(藤井律之)、唐代射礼の源流(丸橋充拓) 3本の研究動向は、初年度と第3年度に行った研究会・国際シンポジウムでの発表を基にしたもので、日・中・韓、さらに欧米での最新成果を盛り込んである。近年、欧米では中国軍事史研究の不足や偏りが強く意識され、研究史の回顧や新しい研究手法の提唱がなされているものの、東アジアの研究者にはあまり認知されていない。ここではこうした動きを網羅的に紹介しており、日本における今後の中国軍事史研究にも影響を及ぼすものと自負される。 7本の論文は、①戦役史(宮宅・金)、②「軍事」に軸を据えた制度史の分析(佐川・藤井)、③軍事と儀礼の関係(佐藤・丸橋)、および④戦争技術(ギーレ)に分類される。戦役史の分析から「農民兵から構成された秦軍」というイメージに疑義を呈し、秦による軍事統一の原因に再考を迫る宮宅論文や、儀礼遂行の背景に象徴的・実質的武力が存在することを詳細に指摘する佐藤論文など、いずれも軍事史研究の新たな試みと呼べるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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