交付申請書記載の「研究目的」、「実施計画」にのっとり、以下のような活動を実施した。 1。西欧中世史に関わる研究会を、以下のように開催した。 (1)2011年11月19日、26日に、ジャン=ピエール・ドリュモー氏(元レンヌ第2大学教授)を招聘して、中世イタリア王国における裁判をテーマに研究会を開催した。研究拠点の九州大学に加えて、紛争解決研究の重要な研究拠点である京都大学でも開催した。後者においては、とりわけ多くのイタリア史研究者との研究交流が行われた。 (2)2011年12月17日、18日に、「西洋中世史料論の射程」を共通テーマとして、総括研究会を開催した。研究代表者、連携者に加えて、二人のゲスト報告者を含む、計6本の報告が行われた。 2。西欧中世史以外の領域との比較を企図して、以下の研究会を開催した。 (1)2011年11月20日に、ドリュモー教授を招聘して、日本、西欧、ビザンツにおける政治権力細分化の比較に関する研究会を開催した。ドリュモー教授の「秩序は失われたか」と題する報告に加えて、高橋一樹氏(国立歴史民俗博物館准教授)による日本中世史研究についてのコメントが行われた。 3。その他 (1)連携研究者の丹下栄氏を、ベルギー王国に派遣し、資料の調査を行うとともに、ジャン=ピエール・ドヴロワ、アラン・ディルケンス両教授と研究成果について意見交換を行った。 (2)23年度の研究成果を、『西欧中世文書の史料論的研究平成23年度研究成果報告書』として刊行した。すべての研究会の報告、コメント(新規原稿も含む)に加え、史料論に関する研究動向を検討する個別論考を5本掲載した。
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