研究課題/領域番号 |
20320119
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坂口 明 日本大学, 文理学部, 教授 (10153876)
|
研究分担者 |
豊田 浩志 上智大学, 文学部, 教授 (20112162)
毛利 晶 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (60174330)
堀 賀貴 九州大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20294655)
黒田 泰介 関東学院大学, 工学部, 准教授 (70329209)
片山 伸也 日本女子大学, 家政学部, 講師 (80440072)
|
キーワード | ローマ都市 / オスティア / 都市生活 / 建築史 / 古代遺構の転用 / 3Dレーザ測量 |
研究概要 |
平成20年度に引き続き9月にオスティア・アンティカ遺跡における実地調査をおこなった。対象は、街路、組合の施設、商工業施設(パン製造所、マーケット、店舗など)、宗教関係出土物(奉納品など)、排水施設、集合住居の遺構、中世において建築の一部として転用されたローマ時代の遺構などである。とくに、遺跡西半分の街路、「トラヤヌスのスコラ」をはじめとする組合の施設や一部の住居、オスティアの司教館の壁に転用されたローマの水道の跡については、3Dレーザスキャナによる測量を実施した。これは、平成19年度のものとあわせて、オスティア遺跡の最初の大規模なレーザ測量である。そのデータはディスクによって公開しており、各方面の研究者に貴重な基礎的データを提供している。これとあわせて、オスティア出土の碑文を調査し、その画像データを収集した。 これらの作業を通じて、従来の通説の見直しを迫る新しい知見を得ることができた(たとえばトラヤヌスのスコラについて、中間報告書を参照)。また、司教館の壁に残された水道跡には、初めて本格的な調査のメスが入れられた。 収集されたデータはかなり膨大なものになり、引き続き解析を進めている。 なお、21年度の現地調査に参加できなかった研究分担者の加藤と池口は、繰越金によって22年度に現地調査をおこない、加藤はミトラエウムを重点的に調査して、初期キリスト教美術につながる宗教美術の発展をとらえ、池口はおもに倉庫を調査して、ローマの食糧供給事情を解明するためのデータを収集した。さらに、21年度には十分おこなえなかった現地研究者との学術交流を、22年度に開催した一連のシンポジウム、講演会を通じておこなうことができた。
|