研究課題/領域番号 |
20320120
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
田中 きく代 関西学院大学, 文学部, 教授 (80207084)
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研究分担者 |
阿河 雄二郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (80030188)
田和 正孝 関西学院大学, 文学部, 教授 (30217210)
山 泰幸 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (30388722)
金澤 周作 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70337757)
佐保 吉一 東海大学, 国際文化学部, 教授 (00265109)
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キーワード | 北大西洋海域 / 文化空間 / 境界域 / 学際的 / 外来者 / 祝祭儀礼 / 海洋空間の社会的構築 / 集団記憶 |
研究概要 |
本研究は、18・19世紀に北大西洋に出現するワールドの構造に、文化的次元から、しかも地域コミュニティのレベルから切りこもうとするものであるが、具体的には北大西洋海域の両岸の海岸部あるいは近辺の地域での共同体の解体と再編、それに付随する共同体意識の変遷を、文化人類学の研究者と協力して、歴史学の立場から実証的に跡付けるものである。大西洋海域における古い共同体が解体され、ヴァナキュラーな共同体意識が崩れていく過程、また自立的に再編され新しい共通意識が創造される過程を、大西洋岸の両岸で検証するが、特に、儀礼や祝祭に見られる新たに生まれた集団アイデンティティすなわち共通の歴史的記憶の創出に注目する。 本年度は、研究代表者、研究分担者、連携研究者、研究協力者による全員のものとして、1回の研究打ち合わせ会、4回の研究会を持った。それぞれの研究報告とともに、テーマの共通理解と、共通のフレームワークの構築にも努力した。第1回の研究会では、旧デンマーク領カリブ植民地における奴隷制度についてと、市場革命期アメリカの海域における祝祭儀礼について、第2回にはフランス西海岸における海民の世界についてと、共通理解のための海域に関する理論的な枠組みについて(1)、第3回は、伝統漁法石干見をめぐる諸問題と共同体のあり様についてと、共通理解のための海域に関する理論的な枠組みについて(2)、第4回は西インド諸島の砂糖生産と環境の変化についてと、アメリカ南部奴隷のキリスト教化による文化空間の解体と再生について、それぞれ研究代表者或いは研究分担者が報告を行い、質疑応答により、共通理解に務めた。 また、佐保吉一はヴァージン・アイランドに、竹中興慈はアメリカ合衆国に、田和正孝はフランス西海岸で、それぞれの海外調査を行った。
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