研究課題/領域番号 |
20320121
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 博文 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60333580)
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研究分担者 |
山村 高淑 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (60351376)
小野 有五 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (70091890)
佐藤 孝雄 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (20269640)
蓑島 栄紀 苫小牧駒沢大学, 国際文化学部, 准教授 (70337103)
HUDSON Mark 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (20284052)
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キーワード | 世界遺産知床 / 先住民族考古学 / クマ送り祭 / Community-based Archaeology / オホーツク文化 / 文化遺産 / 文化遺産活用 / アイヌ民族 |
研究概要 |
○本年度の具体的なとりくみと成果 H21年度は、知床半島におけるフィールドワークをチャシコツ岬下B遺跡および以久科北海岸遺跡の2ヵ所において実施し、研究組織のメンバーの他、北海道大学、慶応義塾大学、苫小牧駒沢大学、筑波大学、東海大学の大学院生、学部生が参加し、またオクラホマ大学(米国)、デンマーク国立博物館(デンマーク)の考古学者が参加した。野外調査での実践としては、海外かの参加者の協力を得て地元の小中学生を交えた体験学習やワークショップを行いコミュニティ・ベースの考古学的実験的取り組みをおこなった。 また以久科北海岸遺跡においては、近世アイヌ文化期のクマ送りの遺構が確認されたことから、アイヌ民族との共同で現地においてカムイノミをおこなう一方で、文化遺産の共通や先住民族による管理についての意見交換をおこなった。 ○意義 本研究の意義は、北海道における考古学的遺産を先住民族の歴史的遺産として積極的に位置づけ、アイヌ史の構築に活用することにある。また一方で文化遺産の保存活用には地域コミュニティが積極的に参画し、教材や観光資源として活用していく必要を検討することにある。 これまでの2ヵ年の取り組みの中で、知床平島という具体的なフィールドを得る事ができ地元との協力関係の構築の中で地域の父兄を巻着込んだ考古学的資源の活用の実験をおこなってきた。この成果は、年を経るごとに参加する年齢層や幅の広がりとして成果を生みつつある。また海外において実践的経験をもつ研究者の参加協力を得て、さまざまなとりくみを進めてきた。これについても大学院生や学部生を中心に大きな刺激となり、研究の推進に大きな効果を与えている。研究者ネットワークも広がりつつあり、海外での学会報告を通じて、知床たおけるとりくみは、広く国際的な認知度をあげつつある。 ○重要性 本研究は、日本ではじめての「先住民考古学」の取り組みとして国際的に注目を集めている。現在、本研究には、アメリカ、デンマーク、カナダの研究者が参加し、関心をよせている。その成果は、すでに2つの国際会議で報告され、3本の海外で刊行される論集に投稿要請がなされ、現在印刷中である。
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