研究課題/領域番号 |
20320122
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 伸哉 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50189958)
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研究分担者 |
高橋 照彦 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (10249906)
寺前 直人 大阪大学, 文学研究科, 助教 (50372602)
清家 章 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (40303995)
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キーワード | 古墳時代 / 政権交替論 / 首長系譜 / 猪名川流域 / 長尾山古墳 |
研究概要 |
本研究の目的は、古墳時代研究における重要な論点の一つとなってきた「政権交替論」について、おもに1990年代以降の新出資料の分析と効果的なフィールドワークを結合させることによって全面的な再検討を行い、政治変動期に焦点をあてた最新の古墳時代政治史を提示することである。研究の第2年目であるH21年度は、(1)計画したテーマ研究についての分担者各自の研究の遂行、(2)兵庫県長尾山古墳の発掘調査および各地の関連遺跡の踏査、(3)それらの成果に関する研究集会の開催、(4)研究成果の公表という4つの活動の柱を立てて研究を行った。テーマ研究としては、福永が古墳時代開始期と後期の近畿の地域関係、高橋が文献史の研究成果との整合性の検討、寺前が猪名川流域のフィールド調査、清家が四国の古墳時代地域関係に焦点をあてた分析を進め、関連成果を論文や発掘調査報告書として発表した。フィールド調査としては、長尾山古墳の発掘調査を行い、墳頂部で執行された葬送儀礼の痕跡や巨大な墓壙を確認したほか、日本及び韓国、英国の墳墓遺跡の踏査を行った。研究集会は6月から2月にかけて4回開催した。8月、2月の集会ではフランス、韓国の研究協力者を招き、国際的な比較研究の事例を提供してもらうとともに、研究現状を討論した。研究成果の公表は、論文・調査報告・口頭発表・HPなどの形で行ったほかに、11月には代表者福永が米国において口頭発表の機会を得て、現地の東アジア研究者とさまざまな意見交換を行った。以上の研究活動を通じて、考古資料から古墳時代政権交替について十分説得的な枠組みの提示ができるという見通しを確認し、来年度の研究総括へ向けての展望を得た。
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