研究課題/領域番号 |
20320124
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
水上 和則 専修大学, 法学部, 兼任講師 (00418592)
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研究分担者 |
亀井 明徳 専修大学, 文学部, 教授 (70204633)
佐々木 達夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60111754)
柴垣 勇夫 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (80303543)
高橋 照彦 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (10249906)
二宮 修治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30107718)
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キーワード | 考古学 / 陶磁器 / ICP発光分光分析 / 産地同定 |
研究概要 |
陶磁器の産地同定を行うに有効な手段として、試料の胎組成の化学分析から、微量元素の含有量を比較することで特定地域を推察する方法がある。本研究では、精度の高い真値を破壊分析法であるICP発光分光分析法により得て、非破壊分析の数値補正に適用することで、貴重な考古遺物を非破壊のまま産地同定を行おうとするものである。本年度は特に、基準値(基礎となる値)を厳密に作成するために、複数の研究機関で陶磁試料を精度高く破壊分析(ICP発光分光分析)し、分析手順や分析値の比較を行った。 1.調査班本研究には、内外窯跡出土陶片であることが確実な試料の入手が不可欠であり、各班の努力が続けられている。備前焼地方窯の梅谷窯跡で破片を採取し、加賀市の作見窯跡資料と比較のため基礎データを収集した(佐々木)。静岡県と富山県の複数の中世窯址出土試料について報告書を作成した(柴垣)。京都府篠窯跡群などの採集品のうち、地元市教育委員会協議のうえ、分析試料として実測図など基礎的なデータ収集した(高橋)。フィリピン出土元青花盗の調査し基礎データの作成中である(亀井)。 2.分析班ICPによる分析法の精度・確度を確かめるため、6度にわたり94試料を282度繰り返し分析実験を行った。ICP発光分光分析法が、現時点で基準値作成に優秀であることが明瞭になった。しかし、異なる研究機関間での実験再現性を含む認証数値の一致をみることができなかった。測定試料の溶液化のための前処理段階に問題を含むことが分り、この処理工程に生じている微妙な差を無くすため、陶磁器分析に特化した分析手法の明文化を行った(水上)。それらを踏まえ、来年度は精確な分析値の提示と集積を行うことができるよう、実施計画を組んでいる。 3.集積班過去の分析資料の集積は、中国陶瓷・日本陶磁共に順調に進んでおり、パソコンへの入力待ちの状態である。
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