研究課題
研究計画の2年目となる本年度は、1.全体の活動として計2回の研究会を開催した。1回目は、基盤フィールドでの共同調査と各自の個別フィールドにおける研究成果の発表、課題の抽出と関連文献のレビューをおこなった。2回目の研究会では音楽教育の研究者を招き、映像を交えて現在行われている試みと理論化の取組について講演願った。それにもとづいて、「動き」から在来知を照射する視座に関する議論を進めた。その結果、「動く身体」が埋め込まれた環境とそれへの働きかけを繰り返すことの重要性、また、周期的に空間的移動をおこなうことが、環境の重要な要素を切り取るのに有効な手だてになっていることが確認された。2.基盤フィールドである秋田県鹿角市においては、昨年度の調査で得られた移動養蜂業者の技術、知識との比較を視野に、定置養蜂業者の調査を実施し資料を集積した。3.個別フィールドにおける調査活動は次の通りである。1)研究分担者の曽我亨は、水流の速度と漁法の対応に焦点を当て、青森県弘前市近郊岩木川におけるウグイ漁に関する調査を継続した。2)研究分担者の大村敬一は、カナダ先住民をめぐる同化と異化に関する調査,方言調査と民族科学調査を行った。3)研究連携者:竹川大介は、オセアニア、バヌアツ島における風の変化と漁に関する在来知に焦点を当てた現地調査を継続した。4)研究協力者の佐治靖は、移動養蜂業者の移動と蜂飼養、環境の変化への認識を中心に、秋田県の調査に加え、養蜂業者の本籍地である鹿児島県に調査対象地を拡大した。5)研究協力者の金子守恵は、アフリカ農耕民アリにおける土器製作技術の伝承に関する調査を継続した。6)研究代表者の杉山祐子は、アフリカ焼畑農耕民ベンバにおける1920年代~1960年代の文献収集を行い、農法の変化と技術革新にかかわる歴史(フォーク・イノベーション・ヒストリー)の構成を試みた。
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文化人類学 74(4)(印刷中)
文化人類学 75(1)(印刷中)
Proceedings of the 16th International Conference of Ethiopian Studies.(ed.by Svein Ege, Harald Aspen, Birhanu Teferra, Shiferaw Bekele) Aethiopistische Forschungen Vol.72
ページ: 187-199
Proceedings of the 16th International Conference of Ethiopian Studies(eds.by Svein Ege, Harald Aspen, Birhanu Teferra, Shiferaw Bekele)
ページ: 357-367
月刊みんぱく 9月号
ページ: 4-5
Proceedings of the 16th International Conference of Ethiopian Studies.(ed.by Svein Ege, Harald Aspen, Birhanu Teferra, Shiferaw Bekele)
ページ: 383-394
『集団-人類社会の進化』第3部10章「われらベンバ」の小さな村-居住集団の日常と王国をつなぐしかけ(京都大学学術出版会)
ページ: 223-244
『集団-人類社会の進化』第2部5章「集団のオントロギー:<分かち合い> と生業のメカニズム」(京都大学学術出版会)
ページ: 101-122
『先住民とは誰か?』第10章「イヌイトは何になろうとしているのか?:カナダ・ヌナヴト準州のIQ問題にみる先住民の未来」(世界思想社)
ページ: 155-178