研究課題/領域番号 |
20320132
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嶋 陸奥彦 東北大学, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (30115406)
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研究分担者 |
沼崎 一郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40237798)
久保田 亮 立教女学院短期大学, 英語科, 講師 (80466515)
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キーワード | 公共人類学 / 異文化共生 / 東アジア / 北アメリカ |
研究概要 |
本年度は、公共人類学の文献渉猟の成果に基づいて本研究の理論的基礎付けを行うと同時に、東アジアと北アメリカにおける異文化共生政策の現状と問題点に関する比較分析を継続しつつ、仙台市国際交流協会と東北大学大学院文学研究科文化人類学研究室との間でインターンシップ契約を結び、文化人類学実習を履修する学生1名をインターンとして仙台市国際交流協会に派遣して、仙台市在住外国人支援活動に学生を参加させる試みを行った。また、仙台市国際交流協会が実施する調査活動や意見交換会には、沼崎が常に出席し、仙台市の多文化共生政策への提言を共同で行うことも試みた。さらに、仙台市が実施した在住外国人の調査にあたっては、立案の段階から、文化人類学研究室が協力した。その結果、留学生や研究者を主体とする点で、仙台市の在住外国人コミュニティは、他地域と派異なる特色をもっていること、それゆえに仙台市民との交流が比較的少なく、両者のコミュニケーションを一層充実させる必要が明らかとなったので、そのための方策を引き続き検討していくこととなった。特に、外国人居住者の比較的多い町内会単位において、在住外国人と仙台市民との日常的な意見交換の場を設け、仙台市民の側の多文化共生意識を啓発することが重要であると分かったので、そのための組織作りに着手した。 本研究を通して、将来にわたって継続発展可能な学・行政・民間グループの意見交換ネットワークの基礎となる協力関係を幅広く構築することができた。特に、仙台市国際交流協会と文化人類学研究室とのインターンシップ契約は、両者の協力関係を密接にするうえで貴重な役割を果たした。このような実際的な連携体制を生み出したことが、本研究の成果である。
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