研究課題/領域番号 |
20330007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡村 忠生 京都大学, 法学研究科, 教授 (30183768)
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研究分担者 |
高橋 祐介 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50304291)
小塚 真啓 金沢大学, 法学系, 准教授 (60547082)
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キーワード | 取得価額 / グループ法人税制 / 法人税 / 組織再編税制 / 実現 / 資産 / 信託課税 / リース課税 |
研究概要 |
平成21年度は、研究の第2年目として、以下の項目について研究を進めた。ただし、21年5月に予定していた渡米を、新型インフルエンザによる全学的な渡航中止の指示のため取り止めざるを得なくなったことから、研究の当該部分は22年に繰り越して実施した。21年度中に10回の研究会を開催し、各領域から総論的検討への還元を図った。この中から、実現主義の捉え方、および、法人課税のあり方が総論的課題として浮かび上がり、いくつかの論文となった。各領域については、以下の通りである。 教育や技能習得に関する税制の領域では、人的資本の形成を実現主義の観点から考察するとともに、個人による富の支配について、信託課税、相続贈与税、米国遺産税からの検討を行った。最低生活費や人的控除についても、課税の観点から検討した。 研究開発や知的財産権への課税の領域では、人の協働と成果の各人への配賦という要素が重要であり、米国パートナーシップ課税における労務出資と特別配賦について、研究会で繰り返し取り上げた。 事業の組織に関する税制の領域では、法人課税の意味について、消費課税との関係からも検討を進めるとともに、歴史的なアプローチとして、米国法人課税の成立について、UCLAのSteven Bank教授にインタビューを行った。さらに、法人という課税単位を認識する意義や効果について、日本で検討が進んだグループ法人税制を取り上げ、検討を行った。 事業活動への参加や投資に関する課税の領域でも、やはり人の協働という観点から、プライベート・エクイティ・ファンドへの課税、Carried Interestの扱いについて検討を進めた。 国際課税の領域では、引き続き、EUでのCCCBTについての分析を行うとともに、日本で改正が行われた子会社配当への非課税を題材に、global systemによる全世界所得課税について検討をした。
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