研究課題/領域番号 |
20330007
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡村 忠生 京都大学, 法学研究科, 教授 (30183768)
|
研究分担者 |
高橋 祐介 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50304291)
小塚 真啓 金沢大学, 法学系, 准教授 (60547082)
|
キーワード | 取得価額 / グループ法人税制 / 信託課税 / 帰属 / 扶養控除 / ヒューマン・キャピタル / 教育費 / 相続税制 |
研究概要 |
平成22年度は、5年間の本研究の中盤に当たる第3年目として、以下の項目について研究を進めた。特に個別領域での研究の進捗をはかるため、9回の研究会を開催した。 教育や技能習得に関する税制の領域では、高度高等教育に関する所得税制がヒューマン・キャピタルの資産化だけでなく、教育費を負担する家族への扶養控除や税額控除、さらには相続税や贈与税の課税方式に関係するという観点から、検討を進めた。 研究開発や知的財産権への課税の領域では、引き続き、人の協働と利益の分配の観点からの検討を行った。 事業の組織に関する税制の領域では、グループ法人税制、清算所得課税、および、子会社アウトサイド・ベイシス(合併抱合株式)について検討を進めた。 事業活動への参加や投資に関する課税の領域でも、信託に関する課税を取り上げ、検討を進めた。 国際課税の領域では、引き続き、EUでのCCCBTについての分析を行うとともに、インバージョンについても検討をした。 総論への還元として、個別領域での信託課税および事業体課税の検討に基づき、課税要件としての「帰属」の意味について、それが事実の認識であるのか、規範として所得を帰属させるのかについて、新たな考察を行った。また、ソフトローの観点を導入し、考察を進めた。なお、本年度中には比較的大きな税制改正が見込まれたことから、本研究への影響を検討し、本研究に関係する論点についての報告と意見交換を、内外の研究者、実務家との間で行った。
|