研究課題
7月に最上敏樹、吾郷眞一を報告者として、また10月に坂元茂樹、中川淳司を報告者として、また2009年に入り2月に酒井啓亘を報告者として研究会を行った。最上報告は「国連体制における機能主義と立憲主義」と題して本研究プロジェクト全体を俯瞰する視点を提供し、また吾郷報告は「国際法と機能主義」と題して機能主義の総括的な見地を説き起こした。坂元報告は「条約義務の解釈上の変更-自由権規約委員会の実行を素材に」と題する報告を行い、人権に関する立憲的な展開が具体的にいかなる条約解釈問題として立ち現れているかを解き明かした。中川報告は「ドーハラウンド漁業補助金交渉と海洋生物資源保存管理レジーム」と題して通商問題と資源保全問題の交錯を論じ、機能主義の多様な側面および複雑さを論じた。酒井報告は「ソマリア沖における「海賊」の取り締まりと国連安保理決議」と題して同問題を論じ、立憲主義的な構想が容易には行き渡らない現実を描いて見せた。それと同時に、2009年に東京大学で開かれるアジア国際法学会を本研究プロジェクトとして積極的に活用することを決め、「国際法における立憲主義と機能主義」という、まさしく本プロジェクトと同一の名称の分科会を行うことにした。その分科会に招聘する人選等、関連の業務を最上および吾郷が担い、ただちに準備作業を開始した。研究会への出席度もよく、第1年度の開始はきわめて順調であった。最上が欧州で調査するはずであったが、予定した時期に体調不良となったため、翌年度に執行することになった。
すべて 2008
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国連研究 第9号
ページ: 51-73
平和研究 第33号
ページ: 1-22
国公労調査時報 2008年4月号)No.544
ページ: 7-10
世界の労働 58巻11号
ページ: 2-8
Japanese Yearbook of International Law Vol.51
ページ: 98-118
Impact Assessment and Project Appraisal Vol.26, no.4
ページ: 299-314
「労働CSRと国際労働立法」国際法学の地平(中川淳司・寺谷広司編)(東信堂)
ページ: 557-575
「海洋境界画定と領土紛争」海洋境界画定の国際法(村瀬信也・江藤淳一編)(東信堂)
ページ: 33(49-81)
多国間環境条約の執行確保と複数の条約間の調整-『ダニューブ・デルタ事件』の分析を中心に-、大沼保昭先生記念論文集-国際法の地平歴史、理論、実証(中川淳司・寺谷広司編)(東信堂)
ページ: 58(574-631)