研究課題/領域番号 |
20330017
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
加藤 雅信 上智大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70009819)
|
研究分担者 |
磯村 保 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00030635)
五十川 直行 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (80168286)
岡 孝 学習院大学, 法学部, 教授 (10125081)
中野 邦保 桐蔭横浜大学, 法学部, 准教授 (10440372)
松岡 久和 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30165782)
|
キーワード | 民事法学 / 民法 / 改正 / 財産法 / 債権法改正 |
研究概要 |
本研究は、最終的に、「日本民法典財産法改正試案」を提示しようとするものである。 本年度は前年度に引き続き、2009年11月に公表した法律時報増刊『民法改正 国民・法曹・学界有志案』について、研究会における議論を通してさらに検討・改良を重ねるとともに、各改正条文提案に改正理由を付し、『日本民法典改正案』と題する書籍として発表するための作業を行った結果、民法総則・物権・債権部分の執筆と検討を相当程度進めることができた。現在、引き続き作業を継続しており、今年度中にすべての検討を終えて、順次刊行する予定である。 また、この間、研究代表者の加藤は、わかりにくい債権法改正ではなく、わかりやすい民法改正を目指して、以前現在の法制審議会民法(債権関係)部会における議論状況やそのプロセスを批判的に考察した『民法(債権法)改正-民法典はどこにいくのか』を公表した他、「誰のための民法改正か-『官』のとっての『民』とはなにか」を発表した。このほか、日本・中国・東南アジア諸国を中心とした比較法的な検討をふまえて、人格権を民法のなかに規定することの可否、さらに具体的な条文提案の内容について考察した「人格権論の展開」(『変動する日本社会と法』(加藤一郎先生追悼論文集)所収)も公表した。 いずれの研究成果も、具体的な改正条文提案とその理由の提示をふまえたものである。その意味で、現在進んでいる民法改正の議論にも一石を投じるものであり、非常に重要な成果であるということができよう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の「研究実績」の概要にも記したように、これまでの研究成果を踏まえて、『日本民法典改正案』の刊行へ向けた作業が着実に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度の作業としては、研究会における議論をふまえて、『民法改正 国民・法曹・学界有志案』を修正したものに、改正理由を付す作業を継続し、夏前には、総則・物権法の逐条的な検討を完成させる。その後、債権法の逐条的な検討を行い、本年度内にはそれを完成させる。最終的には、『日本民法典改正案』を有斐閣から、本研究の成果として公刊する予定である。
|