研究課題/領域番号 |
20330024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00092338)
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研究分担者 |
翁 邦雄 京都大学, 公共政策大学院, 教授 (00185521)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926)
牧原 出 東北大学, 政治学研究科, 教授 (00238891)
清水 唯一朗 慶磨義塾大学, 総合政策学部, 講師 (70361673)
金井 利之 東京大学, 法学政治学研究科, 教授 (40214423)
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キーワード | 日本政治 / 内閣と省庁 / 出向人事 / オーラルヒストリー |
研究概要 |
2008年度は、1990年代の日本政治を内閣と省庁の相互作用の観点から解明すべく、研究計画に沿って以下の研究活動を行った。 第一に、省庁から内閣官房への出向人事のデータ収集である。戦後60年間程度の『職員録』を資料として収集し、これをエクセル上で整理してデータ化する作業を、研究協力員と共に行った。これにより、内政審議室長といった要職にどの省庁からどのような人材が派遣されているか、それが歴史的にどのように変遷しているかを分析でき、その成果の一部は下記の著作の中でも活用される予定である。 第二に、1990年代の日本政治の変化に焦点を当てた研究会である。研究代表者を中心に、また分担者や連携者以外からも学際的な参加者を募り、月に一回を目途に研究会を開催してきた。例えば、1990年代の自民党の支持基盤の変容(担当:菅原)、日本銀行の独立性(担当:翁)、不良債権処理の遅れと政官関係(担当:竹中)、内閣官房の拡充(担当:高橋)といったテーマについて議論を深めてきた。これら成果を一冊の著作にまとめ、6月頃に出版(勁草書房)すべく準備を進めているところである。 第三に、1990年代に活躍した政治家や官僚へのオーラル・ヒストリーである。小渕内閣の官房長官であった野中広務、政界再編の目となったさきがけの武村正義、史上最長期間内閣官房副長官を務めた古川貞二郎といった、政界・官界の有力者に対して定期的にインタビューを行い、日本政治の構造変化についての貴重な証言を収集してきた。また特に内閣官房副長官補室に注目し、そこでの実務経験や省庁・官邸との関係などについて、10名以上の内閣官僚にインタビューを行った。今後も更に継続し、しかるべき形で公表・活用することを考えている。
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