研究課題/領域番号 |
20330024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00092338)
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研究分担者 |
翁 邦雄 京都大学, 公共政策大学院, 教授 (00185521)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926)
牧原 出 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00238891)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (70361673)
金井 利之 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40214423)
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キーワード | 日本政治 / 内閣と省庁 / 出向人事 / オーラル・ヒストリー |
研究概要 |
2010年度ならびに2011年度は、研究の締めくくりとして、1990年代の日本政治を内閣と省庁の相互作用の観点から解明するという本研究の成果を、下記の通り明らかにした。 本研究においては、1990年代に活躍した政治家や官僚へのオーラル・ヒストリーを複数行ってきた。そのうち、政界再編の目となった新党さきがけの代表を務めた武村正義氏のオーラル・ヒストリーを、岩波書店より刊行した。これは、1990年代以降の日本政治において、全体としては民主党と自民党の二大政党化が進む中で、見過ごされがちな小政党の役割に光を当てるものである。1990年代の一時期、さきがけのような小政党が日本政治に果たした役割は小さくないものがあり、まさに当事者中の当事者の証言により、改めてその意義を明らかにしたという点で、これは貴重な資料となっている。また、1990年代以降の新たな現象である連立政権の実態を示したところも、重要な貢献といいうる。連立政権における政策決定において、小政党が無視できない存在感を発揮していることが明らかとなったのである。 また、民主党による政権交代や、東日本大震災といった現象が本研究と同時進行したことから、1990年代の政治と現代の政治の継続と断続という視点を獲得するに至った。これについては、研究代表者が『「戦後」が終わり、「災後」が始まる。』(千倉書房)において議論したが、未だ研究の途上にあり、本研究の成果を礎に今後の課題としたい。
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