研究課題
本研究は、グローバル化する現代世界にあって、世界標準と規制の設定が経済的競争力のみならず政治的影響力を左右するという認識に基づき、この分野で米国と並ぶ力を持つEUの力の源泉を、歴史と現状の両面において解明しようとする。これは同時に、これまでチームで取り組んできたヨーロッパ統合史の研究をさらに発展させ、従来の研究で軽視されてきたEUの帝国的な権力の検討に接続させる新しい試みである。3年目の目標は、本プロジェクトの研究の完成に向けて、標準化や規制に関する研究成果の発表・発信などを本格化させることであった。また、初年度と次年度に着手されたインフラ構築、基本的問題枠組と発見的・探索的論点の共有をベースとして、さらに国内外のワークショップにて成果発表を追求した。整理すると以下のようになる。1. 国内における研究成果発表のワークショップ: 9月初頭、これまでの研究成果をお互いに持ち寄り、発表する機会を設けた。具体的には、規制に関する内外の理論を消化し、本プロジェクトの理論枠組みを形成する3論文に加え、各政策セクターごとにEUの規制力を検証する経験的な分析論文を7本ほど集め、将来の出版に備えて、議論を深めた。2. 国際シンポジウムの開催と本研究プロジェクトの射程拡大の模索: 同じく9月、EUの標準化・規制に関連し、その東アジアへの含意を推し量るため国際シンポジウムを台北にて開催、本プロジェクトの含意を地理的に東アジアにまで拡大して探るものとなった。3. 1.2.の成果を出版という成果に落とすべく、本の草稿作りに全力を注いだ。これは、遠藤乾・鈴木一人(編)『EUの規制力』として刊行されることが決まり、日本経済評論社とのあいだで出版に合意を見た。4.ユーロ危機により、EUの規制力が予見不能な状況に陥ったため順延となったが、平成23年度6月に草稿読み上げ会を実施し、出版に向け順調に準備を進めた。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (25件) 図書 (4件)
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