研究分担者 |
武藤 滋夫 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (50126330)
大和 毅彦 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90246778)
橋本 介三 芝浦工業大学, 工学部, 非常勤講師 (00033176)
瀋 俊毅 広島市立大学, 国際学部, 講師 (10432460)
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研究概要 |
本年度の研究で,資源配分メカニズムに関して研究対象としたものは,完全競争的市場メカニズム,非分割財市場メカニズム,寡占市場メカニズム,そして環境意識が市場メカニズムに与える影響である.まず一番目に行なったのは,複数の完全競争的市場均衡が存在する単純な純粋交換経済における価格調整の動学的安定性と経済主体間の衡平性の問題の理論分析である.その結果,経済主体間の衡平性が達成される市場均衡は一般に動学的には不安定であり,換言すれば経済主体間に格差をもたらすような市場均衡に価格は収束する傾向があることがわかった.また,一般均衡理論の妥当性を検証するために.純粋交換経済において競争的市場均衡が実現されるかどうかについて,被験者を使って予備的実験を行った.二番目に行なったのは,不完全競争市場の理論分析である.経済主体の先見的な行動が非分割財市場および寡占市場の均衡に及ぼす影響の考察と,特許のライセンス取引市場における均衡の漸近的安定性の考察をおこなった.いずれの研究においても市場均衡の動学的安定性について新たな知見が得られた.三番目に行なったのは,アンケートによる市場と環境に関する実証分析である.大阪府東大阪市で住民アンケート調査を行った結果,個人の環境意識が住民の交通手段の選択に重要な役割を果たしていることが分かった.また,中国の上海において街頭面接調査を行なった結果,環境ラベルが中国消費者の電気商品の購買に影響を及ぼすことも明らかになった.
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