研究概要 |
本研究は,効率的で公平な資源配分を実現する市場制度の設計可能性について分析を行なうことである.まずは均衡が複数存在する市場の基礎条件に関する理論研究を再検討する.研究の対象は,多数の消費者が取引を行う完全競争的純粋交換経済,少数の企業が存在する寡占市場,そして環境問題を有する商品の市場である.そのため経済主体間の資源配分で効率的なもの,非効率的なもの,公平なもの,不公平なものを含む可能な取引リストが与えられたもとで,それらが市場で均衡として実現するような経済の基礎条件はどのようなものか明らかにしたい.次に.均衡の安定性を多面的に検証する.いくつかの調整過程を考え,複数種類の商品を経済主体が初期保有という形で有する市場での商品の取引を経て,各商品の価格が各市場の需給をバランスさせる水準に収束するのかしないのかを理論分析と実験分析で検討する
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