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2008 年度 実績報告書

地球環境問題指向型技術選択を重視した動学的応用一般均衡モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20330048
研究機関大阪大学

研究代表者

伴 金美  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30027578)

キーワード環境制約 / 応用一般均衡モデル / 技術選択 / 技術開発 / 温暖化ガス排出削減
研究概要

技術開発によって生み出される新技術が市場メカニズムに基づいてどのように採択されるかを動学的応用一般均衡モデルの枠組みで分析するために、基礎データの構築とプロトタイプモデルの作成を行った。技術選択は、詳細な技術情報に基づく費用最小化行動として線形計画問題として定式化されるボトムアップ型モデルが用いられるが、それをトップダウン型モデルである応用一般均衡モデルに取り入れ、ハイブリッド型動学的応用一般モデルを開発した。さらに、モデルを用いた数値シミュレーションにより、二酸化炭素排出削減は限界削減費用を上昇させるものの、その一方で化石燃料節約型投資や雇用を誘発し、蓄積された資本や雇用から新たな所得が生み出されることを明らかにした。すなわち、地球環境問題の解決は大きなビジネスチャンスにつながることを数値的に明らかにすることができた。本年度は、特にエネルギー部門で重要な役割を果たす電力事業について、石炭、石油、ガス、原子力、水力、再生エネルギーごとに異なる技術水準を持つアクティビティが併存し、国際的な規模で二酸化炭素排出削減を促進させる方策について研究し、技術効率の改善だけでなく、化石燃料価格と資本価格の相対比が二酸化炭素排出係数の改善に大きく影響することを明らかにした。現在、2050年までに二酸化炭素排出を半減することが求められ、途上国への技術移転が緊急の課題となっているが、それを促進するには、途上国が化石燃料価格、中でも石炭価格の規制を廃し、先進国が途上国の電力産業に資本投資することが必要となること具体的に明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 排出取引とCDM事業-供給独占への日本の対応2009

    • 著者名/発表者名
      鳥近英恵, 伴 金美
    • 雑誌名

      日本経済研究 60

      ページ: 1-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 炭素集約産業への負担軽減をともなう国内排出削減制度2008

    • 著者名/発表者名
      岡川 梓, 伴 金美
    • 雑誌名

      計画行政 3 1

      ページ: 72-78

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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