研究概要 |
生態系や社会経済システムに地球温暖化現象が与える影響が近未来に深刻化するとの危惧から、石油や天然ガスに代替可能なエネルギー源の探求が国際的にも急務になりつつあり、代替可能なエネルギー源のひとつとしてバイオ燃料が注目を集めつつある。Giampietroと眞弓(環境経済学とエネルギー分析専攻)はZipfやLotkaならびにGeorgescu-Roegenの先駆的な考察に加えて、最近発展してきた理論生態学におけるる階層理論(Hierarchy Theory)を取り入れた「社会生態系メタボリズムの多階層総合評価モデル」(Multi-Scale Integrated Analysis of Societal and Ecosystem Metabolism (MuSIASEM))を構築し、持続性の諸問題に適用してきた。 平成22年度では、次のような研究を共同で実施した。 眞弓:Giampietro教授や谷川・馬奈木と協力し、将来予測モデルとMSIASMを有機的に結合するとともに、国別レベルと地域レベルの多階層変数とそれらの関係を考慮したシナリオ分析可能なMSIASMを構築する;谷川:地理情報(地形,位置)を考慮したバイオ燃料の供給ポテンシャル評価・都市と供給地との距離の推計・人口の重心マップとバイオマス賦存マップとの重ね合わせによるエネルギーの地産地消の可能性評価・需要に関わる情報の整理(人口,世帯,商工業など) 馬奈木:バイオ燃料に関係する中国・インドの制度的要因を詳細に検討・ノンパラメトリック手法を利用した将来予測モデルを実際のデータを参照しながら、可能なシナリオを模索; 佐々木:眞弓と谷川、馬奈木によるシナリオ分析可能なMSIASMモデルに関係するプログラムの作成とそのビジュアル化の実行とデータモデルの構築。
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