研究課題/領域番号 |
20330052
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大川 昌幸 立命館大学, 経済学部, 教授 (50291761)
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研究分担者 |
多和田 眞 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10137028)
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
須賀 宣仁 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (70431377)
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キーワード | 国際寡占 / 産業クラスター / 産業政策 / 立地選択行動 / 技術進歩 / 規模の経済性 / 独占的競争 / 産業集積 |
研究概要 |
本年度は、研究期間の2年度にあたり、研究グループ内から学術的にも高く評価されるいくつかの有意義な研究成果が生まれた。学会およびコンファレンスでの報告も行い、査読つきの国際雑誌に投稿し採用が決定された。 大川隆夫、岡村誠の成果は、一つには金融部門における企業の行動を産業組織論的に分析し、いくつかの興味深い成果を上げている。有担保行動と無担保行動の選択行動をその影響および消費者ローンの短期および長期の融資行動についての分析を始めている。今後国際的なフレームワークに拡張する方向で検討する。また、サービス産業における多国籍企業の内生的な立地選択行動に貿易国の市場の規模の相違が及ぼす影響を理論的に分析し、成果を挙げた。 大川昌幸は2国モデルで一つの財市場が国際的に寡占市場である場合の、一方の国の技術進歩が両企業の国際競争力や両国の厚生に与える影響を一般均衡分析により分析した。完全競争的な市場での技術進歩が労働コストの増加を招き、その国の寡占企業の競争力の低下および厚生の低下を招く可能性があることなど、いくつかの新しい結果を得た。今後、産業クラスターを想定して、垂直的な取引関係にある市場における技術進歩の影響を分析する方向で拡張する。 多和田眞は、発展途上国を含むHarris-Todaroの貿易モデルを構築し、環境問題を導入し都市部の産業が汚染を出す場合の最適な産業政策について理論的に分析した。東アジアにおける国際的な産業クラスターの実証研究を進めている。 須賀宣仁は、規模の経済性が働く独占的競争市場を含む貿易モデルを構築し、国際的な産業集積が形成されること、また貿易国の経済政策の効果を理論的に明らかにしている。
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