研究課題
本年度は、これまでに引き続いて、新たな研究手法に関する知見の獲得のために、定例の研究会を合計5回(各回では2つの研究報告を行う)行い、それに加えてコンファレンスを2010年5月に新潟大学において1回(6つの報告からなる)開催した。そこでは、地域間の財の価格差や産業構造の違いを分析する手法、交通ネットワークを考慮した需要予測の手法、地域計画を決定するための空間を意識した計量経済学的手法、道州制を導入した場合に実現できる行政活動効率化の程度を測定する方法といった、都市問題や地域経済問題に直接関連する研究成果、近年研究が進展しつつあるミクロ計量分析の手法の開発とその応用方法に関する研究成果、あるいは、産業組織論を用いた組織やネットワーク・フォーメーションに関する研究成果、といったものが報告され、外部から招聘した討論者も含めて活発な討論が行われた。研究代表者と分担者らによる個別の研究としては、おもに、産業集積の源泉となる集積の経済についての分析、交通・通信の産業集積への影響、ネットワークを考慮した市場構造分析といった分野に関して研究を進展させた。たとえば、Yoshida(forthcoming)高速道路の混雑とその対策のための料金設定について分析し、最善と次善の政策、および、民営化や上下分離といった政策の効果について吟味した。また、マクロ経済を一般均衡的にとらえるために有用なツールである応用一般均衡モデルに関して、Hosoe et al.(2010)による書籍では、その理論的基礎と応用、および、実際の数値計算手法に至るまで詳細に解説した。
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Japanese Economic Review
巻: (Forthcoming)