本研究は、空港、港湾、鉄道、および道路からなる交通ネットワークの整備とその運用方法について、具体的な政策提言につながるような理論的・計量的フレームワークを作り分析することを目的とする。外部性や規模の経済がある社会においては、個別の輸送市場を部分均衡的に分析するのでは、政策の正確な評価は不可能である。本研究では、ネットワーク内での個別リンク間の関係および交通産業と産業立地の関係に着目して、これらを一般均衡的に捉えることを目指して検討を行う。 具体的には、 (1)交通と産業立地の相互作用の理論的研究 (2)複数均衡のもとでの均衡選択 (3)費用便益分析の精度の向上 (4)社会資本の効率的整備のための政府間事務・財源配分 (5)交通市場の効率化のための規制・競争政策 (6)交通部門における環境問題への対策といった観点から、研究を進めていくことを考える。
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