研究課題/領域番号 |
20330055
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
家森 信善 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80220515)
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研究分担者 |
栗原 裕 愛知大学, 経済学部, 教授 (50249330)
柳原 光芳 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (80298504)
清水 克俊 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80292746)
打田 委千弘 愛知大学, 経済学部, 准教授 (50305554)
小川 光 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (10313967)
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キーワード | 公的金融 / 信用保証制度 / 地域金融 / 中小企業金融 / 郵便貯金 / 信用金庫 / 愛知県 / 個人金融 |
研究概要 |
2010(平成22)年度はプロジェクトの最終年度であり、2009年度に実施した大規模アンケート調査の結果および、これまでの研究成果を論文の形で公刊することに全力を注いだ。2010年9月には、本プロジェクトの主要な成果として、家森信善編『地域の中小企業と信用保証制度-金融危機からの愛知経済復活への道』(中央経済社)を刊行することができた。なお、同書の分析結果は、『日本経済新聞』の一般記事(2010年10月23日)などでも紹介されており、社会的に意味のあるものとなった。同書は、第1章グローバル金融に直撃された愛知経済、第2章アンケート実施前後の信用保証制度および愛知県の信用保証の状況、第3章信用プログラムの理論-信用保証制度の基本機能を理解するために、第4章愛知県の中小企業金融と信用保証制度に関する企業意識調査-愛知県信用保証協会アンケート調査結果、第5章グローバル金融危機下の信用保証制度の役割-愛知県信用保証協会アンケートの分析、第6章債務超過企業における信用保証制度の利用状況からみた課題、第7章グローバル金融危機下のメインバンクとの取引-アンケート調査からわかること、第8章愛知県の中小企業融資における金利設定行動-信用保証利用企業のデータを用いた分析、第9章地域金融機関のプレゼンスと信用保証制度-愛知県の市町村データを用いた分析、終章グローバル金融危機下の愛知県の信用保証制度-むすびにかえて、という構成である。第5章でのアンケート回答結果によると、信用保証が得られなかったら廃業を考えたという企業が緊急保証利用企業の12%もあった。こうした数値を使って試算すると、2009年7月までに愛知県内で実際に増加した失業者8万9千人にほぼ匹敵する失業者の発生を、信用保証制度によって食い止めたことになる。逆に言えば、信用保証制度が拡充されていなければ、現実の失業者の増加は倍になっていたと推計された。
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