研究課題
本研究課題は、(1) 入札制度の競争性の向上と建設生産物の品質の関係に関する研究、(2) 工法協会の活動と入札の競争性・建設生産物の品質との関係に関する研究、(3) 入札制度の競争性の向上が地域経済・中小企業経営に与える効果に関する研究、の3つの課題で構成されている。平成20年度においては、主として(1)の課題を田中・林・花薗、(2)の課題を田中・笹原、(3)の課題を佐竹・林が担当するという役割分担を行い研究活動に従事してきた。課題(1)に関しては、前年度の研究に引き続き、林・田中が発注者の採用する入札方式の選択に関する法と経済学からの接近を行い、入札方式選択が競争性の程度やenforcementの態様に依存することを示した。また、花薗は総合評価(除算)方式に関する理論モデルを構築し、入札者に与える価格競争・品質向上インセンティブが入札者のタイプによって異なることを明らかにした。課題(2)では、田中・笹原が建設業界(アンカー技術分野)における工法協会の存立理由が、工法開発企業と施工企業の垂直的関係から生じる外部性を内部化する点にあることを示した上で、工法協会加盟企業間の関係が入札制度をめぐる競争性や建設技術に対する研究開発に大きな影響を与えうることを示した。課題(3)では、佐竹が、中小企業の存立基盤についての検討を行い、中小企業の存立基盤強化に対する中小企業政策の役割について分析を行った。これらの分析はフィードバックされて、入札制度が地域経済に与える効果を探る作業の検討に活かされている。
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経済科学(名古屋大学) 57巻4号
ページ: 149-157
神戸商科大学創立八十周年記念論文集
ページ: 289-306
阪南論集(阪南大学) 45巻3号
ページ: 61-76
名古屋大学 法政論集 232号
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