研究課題
本研究課題は、(1)入札制度の競争性の向上と建設生産物の品質の関係に関する研究、(2)工法協会の活動と入札の競争性・建設生産物の品質との関係に関する研究、(3)入札制度の競争性の向上が地域経済・中小企業経営に与える効果に関する研究、の3つの課題で構成されている。平成22年度においては主に上記(1)の課題を中心に、各メンバーがその役割分担に応じて研究活動を行ってきた。具体的には、田中・林が、前年度末に行った地方自治体へのアンケート調査をベースにして、日本における官製談合の成立メカニズムを論じた上で、この種の談合を抑止するために効果的な政策装置の手段について実証的な分析を行った。加えて、前年度の研究に引き続いて、発注者の採用する入札方式の選択に関する法と経済学からの接近を行い、アンケート調査の対象とされた地方自治体による総合評価方式の選択が競争性の程度と事務的コストに依存することを示した。また、花薗は総合評価方式の実行に際して、専門家や実務家が建設プロジェクトをどのように評価していくべきかについて、情報伝達と組織デザインの観点から分析を行った。さらに、前年度からの研究を継続し、総合評価方式における除算方式・加算方式が効率性の観点から異なったパフォーマンスをもたらしうることを厳密な理論モデルを通じて明らかにする作業を行った。佐竹は、建設中小企業が直面する景況の実態を分析することを通じて、入札制度が地域経済に与える効果を探る作業の検討を行った。また、笹原は田中と共に行った工法協会の役割についての研究を継続し、そのとりまとめについて検討する作業を行った。なお、こうしたメンバーの研究の成果の一部は、国際学会(IPPC2010)において報告され、また淡路島で行ったワークショップの形態でも紹介された。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Kobe City University of Foreign Studies Working Paper Series
巻: No.39 ページ: 1-17
日経ビジネス
巻: 2011年2月14日号 ページ: 80
Towards New Horizons in Public Procurement, PrAcademics Press, In K.V.Thai(ed.)
巻: Ch.7 ページ: 150-169
巻: 2010年9月6日号 ページ: 78
兵庫同友会 NTレポート
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