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2008 年度 実績報告書

医療・福祉システムの実証分析と持続的・効率的制度の設計

研究課題

研究課題/領域番号 20330062
研究機関東京大学

研究代表者

岩本 康志  東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40193776)

キーワード医療保険 / 介護保険 / 社会保障財政 / 積立方式 / ケアプラン
研究概要

(1)人口変動が医療・介護保険財政に与える影響の研究
財政システム班は,将来の出生率と労働力率の想定を変えた場合に,医療・介護保険財政がどのような影響を受けるかを,長期予測が可能なモデルの特徴を活かし,シミュレーション分析をおこなった。
今年度は,出生率の想定の違いが医療・介護保険財政にどのような影響をもつか,また出生率と労働力率のどちらの低下がより深刻な影響をもつか,を分析した。現行制度のまま均衡財政方式で運営すると,将来の保険料・税負担は大きく上昇する。人口と労働力率の想定の違いが影響する時期は異なり,当初は労働力率の設定の違いが大きな影響をもつが,将来になると出生率の違いの影響が大きくなる。
また,賦課方式での運営と積立方式への移行の2方式について,世代ごとの生涯での保険料・総負担を推計したが,積立方式に移行することで二重の負担を被る世代は,賦課方式で運営する場合の負担よりも,生涯負担率は低くなる。すなわち,二重の負担の問題は,積立方式への移行のための直接的な障害とはならないことが示された。
(2)療養病床再編のサービス水準・費用への影響に関する研究
財政システム班と提供システム班は連携して,2006年医療制度改革に盛り込まれた療養病床再編が医療・介護保険財政とサービスの質に与える影響について分析した。
また,提供システム班では,要介護高齢者の個票データを用い,高齢者虐待の早期発見・防止が期待されるケアプランが,在宅介護での要介護高齢者への虐待を抑制する効果をもつかを検証した。分析の結果,ケアプランの満足度が高い介護者ほど,要介護者への虐待の頻度が低いことが観察された。これは適切なケアプランが要介護高齢者への虐待の抑制に貢献していることを表している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 被服消費に着目した地域振興券のラベリング効果の検証:児童手当へのインプリケーション2009

    • 著者名/発表者名
      両角良子
    • 雑誌名

      経済學研究 56(掲載決定)

  • [雑誌論文] International and Intergenerational Aspects of Capital Income Taxation in an Endogenously Growing World Economy2008

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Iwamoto, Akihisa Shibata
    • 雑誌名

      Review of International Economics 16

      ページ: 383-399

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 長期低迷・デフレと財政2008

    • 著者名/発表者名
      岩本康志,榎本英高
    • 雑誌名

      経済学論集 74

      ページ: 56-79

  • [雑誌論文] 租税・社会保障制度による再分配の構造の評価2008

    • 著者名/発表者名
      岩本康志,濱秋純哉
    • 雑誌名

      季刊社会保障研究 44

      ページ: 266-277

  • [学会発表] 医療・介護保険制度の課題と展望2008

    • 著者名/発表者名
      岩本康志
    • 学会等名
      日本学術会議経済学委員会「人口変動と経済分科会」学術シンポジウム
    • 発表場所
      日本学術会議
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] 行動経済学は政策をどう変えるのか2008

    • 著者名/発表者名
      岩本康志
    • 学会等名
      日本経済学会2008年度秋季大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-09-15
  • [学会発表] 喫煙行動と居住地域:Tweedie分布モデルによる検証2008

    • 著者名/発表者名
      両角良子
    • 学会等名
      日本経済学会2008年度秋季大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-09-15
  • [学会発表] 診療報酬明細書点検調査結果を用いた医師誘発需要仮説の検証2008

    • 著者名/発表者名
      湯田道生
    • 学会等名
      日本経済学会2008年度秋季大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-09-15
  • [学会発表] 介護者にとって満足度の高いケアプランは在宅要介護高齢者への虐待を抑制するか?2008

    • 著者名/発表者名
      両角良子
    • 学会等名
      医療経済学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-07-19
  • [学会発表] 介護者にとって満足度の高いケアプランは在宅要介護高齢者への虐待を抑制するか?2008

    • 著者名/発表者名
      両角良子
    • 学会等名
      日本経済学会2008年度春季大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-06-01
  • [備考]

    • URL

      http://www.e.u-tokvo.ac.jp/iwamoto/HLIModel/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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