研究課題/領域番号 |
20330067
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
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研究分担者 |
須斉 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
筒井 義郎 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50163845)
池田 新介 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70184421)
高橋 泰城 北海道大学, 社会科学実験研究センター, 博士研究員 (60374170)
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キーワード | セルフ・コントロール / 時間割引率 / 準双曲割引 / 期間効果 / 神経経済学 / 認知能力 / パーソナリティ |
研究概要 |
研究目的:時間割引率が自制力とどのような関係にあるかを調べるために、主として前年度に行ったアンケート調査の分析を進めた。認知能力とパーソナリティを自制力の代理変数と考え、これらの諸変数と時間割引率とどのような関係にあるかを調べた。 研究方法:データ分析では、質問条件や回答者の諸属性と認知能力およびパーソナリティ変数を用いて主としてパネル分析を行った。また、前年度はマッチング方式の質問を採用したが、今年度は、前年度データの分析の結果も踏まえて、選択方式の質問を採用した。パーソナリティについても、代表的なパーソナリティテストであるBig5のほかに、社会的自己制御やEffortful Controlといったアンケートを採用した。 前年度から開始した喫煙者を対象としたfMRI予備実験では、被験者数が少なく、明確な結果は得られなかった。また今年度は、研究員の日程と実験装置の利用日程との調整ができず実施できなかった。 研究成果:書間・須齋が行ったアンケートデータの分析の主要な結果は以下の通りである。 1双曲割引は確認できなかったが、期間効果は確認できた。 2パーソナリティ諸変数は有意でなかったが、認知能力が高いほど時間割引率は有意に低くなることを確認した。 3経済属性、人口統計属性と時間割引率との関係は先行研究と整合的な結果が得られた。 4喫煙、ギャンブル、飲酒、クレジットの程度と時間割引率との間には、嗜まない回答者と重度経験者では、時間割引率が高くなる傾向はみられるが、必ずしも強い一貫した相関は見出されなかった。さらなる分析が必要と考える。 高橋はストレスホルモンが6か月後の時間割引率を予測することを見出した。また、繰り返しギャンブルにおける待ち時間の心理物理則からPrelecの確率ウェイト関数が導出できることを示した。筒井はワクチンの摂取行動に時間割引率が有意に効いていることを見出した。
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