研究課題
基盤研究(B)
本研究は、申請時の研究実施計画に従って、以下4つの研究テーマの研究活動を継続して行う。金融資産評価のモデルの構築を踏まえ、理論モデルの定性的性質を明らかにすることが主たる内容である。特に、最大損失限定型商品等の投資家保護の条項を組み込んだ金融資産評価モデルの理論的研究に加えてデータに基づく数値計算およびアルゴリズムを中心に実施する。(1)償還条項付新株予約権および転換社債と仕組債の評価と計算アルゴリズムの開発従来の研究をジャンプがある場合に拡張し、これらの研究成果は二つの停止領域を持つ金融商品等の仕組債の評価に優れた近似値を与えることを論証する。元の資産価格の確率過程がレビ・ジャンプ過程に従う場合の評価モデルの構築を継続する。さらに、信用リスクやクーポン支払いが確率的である場合について仕組債の評価モデルの構築とその数値計算を実施する。平成22年度までの研究成果を国内外の学会等で発表する。さらに国際ビジネス学会の実行委員会委員長として国際会議を主催する。(2)付帯条項付オプションの評価と数値解法の開発分担者(田畑)は資産価格がネットワーク外部性に影響を受けるデリバティブ商品の評価とヘッジ戦略についての研究を行う。平成22年度と同様に価格の確率過程がジャンプを含む過程に拡張されたとき、価格評価式のアルゴリズム開発をする。(3)リアル・オプションによる企業評価モデルへの応用および実物資産に対するリアル・オプションによる評価(担当:竹澤・尾崎・八木)リアル・オプションの接近法によるサハリン・プロジェクト2の共同開発協定の財務的評価について研究を継続する。さらに、不動産等の抵当証券の評価モデルの検証を継続する。(4)レジューム・シフトによる資産価格過程のモデル化(担当:佐藤・澤木)伝統的な合理的期待仮説の下での投資行動を比較し、従来のモデルでは説明できなかった資産評価モデルに「レジューム・シフト」を導入することによって投資家の行動と資産価格を説明するモデルの構築を目指す。サプライチェーンマネジメントと資産評価モデルとの架橋への試みを継続する。[連携研究者] 鈴木敦生(名城大学都市情報学部)・八木恭子(秋田県立大学):数値実験や計算アルゴリズムのパソコン上での実装のためのソフトウェア作成技術に関する協力を得る。佐藤公俊(早稲田大学ファイナンス研究科):偏微分方程式の数値解法と計算アルゴリズムの開発。レジューム・シフトを考慮した資産評価モデルの構築。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
European Journal of Operational Research Vol.206
ページ: 123-130
Journal of Real Options and Strategy Vol.3, No.1
ページ: 25-39
現代ファイナンス
ページ: 17-43
https://nzn.jim.nanzan-u.ac.jp/rd/search/researcher/013433/achievements-j.html