研究課題/領域番号 |
20330072
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
天野 雅敏 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80122985)
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研究分担者 |
重冨 公生 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20206080)
谷本 雅之 東京大学, 経済学研究科, 教授 (10197535)
花井 俊介 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (70212149)
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キーワード | オーストラリア政府接収日本商社資料 / 兼松房治郎 / 兼松商店 / 三井物産シドニー支店 / 欧米人貿易商 |
研究概要 |
本年度は、研究協力者のオーストラリア国立大学のテッサモーリス=スズキ氏と田村恵子氏を招聘し、研究分担者の谷本雅之氏(東京大学)、花井俊介氏(早稲田大学)、重富公氏(神戸大学)と研究代表者の天野雅敏(神戸大学)が加わり、2010年2月14日神戸大学で研究会を開催した。報告者は、田村恵子氏、花井俊介氏及び天野雅敏であった。田村恵子氏は戦前の神戸における英国人の事業活動の推移について紹介し、花井俊介氏はオーストラリア国立公文書館シドニー館の所蔵する三井物産関係資料の利用可能性について報告した。天野雅敏の報告は、兼松商店と三井物産を中心とする戦前の日豪貿易史研究に関するものであり、その報告は、さらに拡充して、天野雅敏著『戦前日豪貿易史の研究-兼松商店と三井物産を中心として-』(勁草書房)として刊行きれた。同書は、第1章で「1887-1888年の兼松房治郎の豪州視察」について検討し、第2章では兼松商店の輸出入業務の動向と経営改革をとりあげ、第3章では、兼松商店の損益構造を分析している。また第4章では、兼松房治郎の他界にともない、故人の公益に注いだ関心を継承するために、神戸、東京、シドニーでおこなわれた兼松翁記念事業についてとりあげ、第5章では日本の商社各社の豪州進出について概観し、第6章では三井物産のシドニー支店の「考課状」を使用して物産の豪州進出過程を解明している。天野雅敏は、オーストラリア国立公文書館シドニー館三井物産、兼松商店の関係資料の調査をおこない、同書の完成度を高めることができた。また田村恵子氏は、来日した際に、20世紀前半の神戸を中心とする欧米人貿易商の活動とネットワーク形成の実態を究明するために資料調査を実施した。
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