研究課題/領域番号 |
20330073
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
櫻木 晋一 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00259681)
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研究分担者 |
加藤 慶一郎 流通科学大学, 商学部, 教授 (60267862)
島田 竜登 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (80435106)
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 准教授 (70241114)
藤田 晴啓 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (40366513)
大内 俊二 下関市立大学, 教授 (00213629)
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キーワード | 寛永通寳 / 海域アジア / 金属組成 / 広域流通圏 / 出土銭貨 / データベース |
研究概要 |
海外も含めると20人を超えるさまざまな学問分野の研究者から成る研究組織であり、問題意識を共有し、組織内の連携を高めるため、研究集会を二回開催した。第一回目は、6月に顔合わせを兼ねて、北九州市埋蔵文化財センターで近世初頭の銭貨生産関連遺物を実見しながら、「黒崎城鋳銭場跡出土鋳銅関連遺物・銭の金属学的調査」と「銭座および周辺遺跡出土の組成からみた近世の銅生産と寛永通寳の製作」と題して自然科学系のテーマで研究報告をおこない、寛永通寳など近世初期の銭貨に関する金属学的特徴についての共通理解をもった。第二回目は、11月に沖縄で「環シナ海と銭貨--近世期東・東南アジア通商圏における小額貨幣--」と「東アジアにおける渡来中国銭の位置」など、中・近世の沖縄貨幣の問題にも触れながら、海域アジアでダイナミックに流動する銭貨と原材料に関する報告を受け、国内流通だけでは止まらない銭貨の広域流通圏問題について検討した。 9月にはイタリア・サレント大学で開催されたEAJS (European Association for Japanese Studies)で、「近世日本の貨幣事情」に関するセッションを組み、「近世の出土銭貨」と「旅にまつわる貨幣使用」についての報告を英語でおこない、海外の研究者に対して最新の研究成果を紹介した。また、寛永通寳を含んだ一括出土銭など複数の資料について、ハノイ国家大学の協力をえて現地で考古学的調査を実施した。文献史料については、膨大な史料が残る対馬宗家文書の調査に着手した。データベースの公開についても、下関市立大学のホームページにリンクさせた櫻木研究室のホームページを作成し、構築中の出土銭貨データベースを順次公開できる環境作りを終えた。
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