研究課題
研究成果であるが、半導体-半導体材料産業間での技術伝播についての理論モデルについて国内外で発表した。また、半導体製造装置産業-機能部品産業間の技術伝播についても国内発表を行い未投稿ではあるが論文も執筆中である。さらに、エンジンの外注などオープン化が進む大型商用車と乗用車をアーキテクチャの観点から分析し、乗用車では居住性の顧客訴求効果が高く、それが空間制約となってオープン化に対する制約となっていることを明らかにした。このことは学生の修士論文としてまとめられたが、24年度に海外学会において発表を行う。この他にも、抽象的な知識の結合に関して多大の進歩が得られた。他分野の知識をアナロジとして用いることにより市場インパクトのある新製品を生み出すことができる可能性が高いことが知られているが、開発現場において俗に「優秀な人(ハイパフォーマー)」と思われている人は抽象的な知識を組み合わせ、新たなシステムを構築する能力が高く、かつその能力は経験年数に依存しないことが分かった。このように、自動車一半導体に限らず、広く他産業の知識を組み合わすための基礎的な要件のいくつかを確認できた。実務面では、リーマン・ショックによる不況、半導体産業の再編などにより開催が困難となっていた自動車産業-半導体産業間共同開発を考えるための懇談会を開催できたことである。具体的には我々の働きかけを受け、今般は経済産業省自動車課と情報通信機器課が合同で懇談会を開催した。産業界からは自動車業界から自動車業界だけで会いたいとの希望があり、トヨタ、日産、ホンダ、の制御系担当の部長職が出席した。この懇談会において、2009年の本研究プロジェクト開始時に想定した課題は基本的に変わっておらず、状況はより深刻になりつつあることが確認された。十分に今後の研究の指針となるデータが得られた。
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化学史研究
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