研究課題/領域番号 |
20330080
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
花枝 英樹 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (50103693)
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研究分担者 |
芹田 敏夫 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80226688)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
須田 一幸 早稲田大学, 大学院・ファイナンス研究科, 教授 (00171273)
砂川 伸幸 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (90273755)
鈴木 健嗣 東京理科大学, 経営学部, 講師 (00408692)
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キーワード | ペイアウト政策 / 配当政策 / 自社株買い / 利益還元 / 株主優待 / 株式分割 / くくり直し / 財務政策 |
研究概要 |
ペイアウト政策絡みでは、2つの論文と1つの学会報告の成果をあげた。 「ペイアウト政策のサーベイ調査:日米比較を中心に」では、財務担当者へのサーベイ調査より、日米企業での共通点と相違点を明らかにした。配当政策に関しては、日米企業とも同じような意識、考え方で、配当政策は硬直的、保守的に決められていが、自社株買いはかなり異なり、米国企業では、自社株買いは柔軟性がある利益還元策として意識されており、配当の代わりに自社株買いで利益還元を行うという意識が、日本企業に比べて強かった。 「わが国企業の配当行動のマクロ分析」では、過去40年間の長期にわたる全上場企業のデータを用いて、わが国企業の配当行動の変遷を分析し、アメリカとの比較によって、わが国企業の配当行動の特徴を浮き彫りにした。「Characteristics of Japanese Corporate Finance」(招待講演)では、日本企業の最近のコーポレートファイナンスの特徴について、とくに、自社株買いや株主優待などペイアウト政策が株主構成や株式の流動性に与える影響に関する実証研究を報告した。 その他の成果である"Do the equity holding and soundness of bank underwriters affect issue costs of SEOs?"では、親銀行の株式保有と健全性が銀行系証券会社の利益相反・保証行動にどのような影響を及ぼすか検証し、親銀行の健全性が低い状況では、その系列証券会社は質の低い企業に市場から株式で資金調達させ、銀行の借入金の返済に充てさせる可能性を明らかにした。 「株式分割とくくり直しの選択」では、両者は株主数増加のために行われるが、株式分割は成長性の高い企業で、くくり直しは株価の絶対水準の低下を避けるため、また、株式分割の実行コストが大きい時に行われる傾向を明らかにした。
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