研究課題/領域番号 |
20330080
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
花枝 英樹 中央大学, 総合政策学部, 教授 (50103693)
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研究分担者 |
芹田 敏夫 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80226688)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
須田 一幸 早稲田大学, 大学院・ファイナンス研究科, 教授 (00171273)
砂川 伸幸 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (90273755)
鈴木 健嗣 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 准教授 (00408692)
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キーワード | ペイアウト政策 / サーベイ調査 / 機関投資家 / 配当政策 / 自社株買い / M&A / 敵対的買収 / 買収防衛策 |
研究概要 |
サーベイ調査に関する以下の2つの査読付論文を刊行する成果をあげた。 『日本企業のペイアウト政策と株式分割:機関投資家へのサーベイ調査による実証分析』では、株式市場における主要な投資家である機関投資家に対してサーベイ調査を実施し、企業のペイアウト政策や株式分割等に対する、機関投資家の考え方や意識についての分析を行った。得られた主要な結論をまとめると、つぎのようになる。 1. 機関投資家は、配当は長期的な利益をもとに決定されるべきと考えており、また、配当性向を重視しているが、減配は嫌い、配当の重要性は低下していない。ただし、時期や金額の面で配当よりも自社株買いの方が、柔軟性があると考えている。 2. 事業会社との比較では、ペイアウト政策に関して、事業会社の方が配当については投資と配当を同時に考える傾向を持ち、減配回避の傾向がより強い。一方、自社株買いについては、柔軟性を含めた自社株買いの役割の認識が、事業会社の方が弱い。配当の重要性については、依然として重要であるとの認識は共通である。 『日本企業のM&A戦略-サーベイ調査による分析-』では、全上場企業を対象にM&Aに関するサーベイ調査を行い、つぎのような結果を得た。第1に、近年の日本におけるM&Aの主目的は市場シェア拡大の水平的なM&Aが中心で、実際に成果があったと意識されている。しかし、ブランド力や研究開発力といった見えざる経営資源の有効活用については成果が少ない。第2に、M&Aに際しての人員、給与体系、事業部門の調整の仕方の違いがM&Aの効果に大きな影響を及ぼしている。第3に、敵対的買収に対して否定的な考え方が強い。また、防衛策として株式持合いも重視しており、事前警告型買収防衛策を導入すれば株式持合いは必要ないと考えるのではなく、両者をむしろ補完的に考えている。
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