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2010 年度 実績報告書

企業内研究マネジメントにおける構想形成のメカニズム探求

研究課題

研究課題/領域番号 20330081
研究機関京都大学

研究代表者

椙山 泰生  京都大学, 経営管理研究所, 教授 (70323467)

キーワード技術経営 / 研究開発マネジメント / 定性的研究 / フィールドワーク / オープン・イノベーション / コーポレートR&D / 組織論 / 共同研究
研究概要

日本企業のコーポレートR&Dのパフォーマンスはどうすれば向上するのだろうかというテーマについて,今回の研究では,概念や理論の生成を目的として,フィールドワークをベースとした質的研究を実施した。世界的にも優秀とされている企業内研究所における研究プロジェクトの構想形成プロセスと,その共同研究のプロセスを対象とし,参与観察,およびインタビュー調査を実施し,研究構想の形成過程に影響を与えるような要因を概念化すべく研究を進めてきた。
昨年度の成果としては,一昨年度の参与観察によるデータ収集を経て,そのコーディングと概念化,およびインタビュー調査による周辺情報の収集などを進め,学会報告,モノグラフの執筆および論文の執筆を進めてきている。その成果として,過去の共同研究など外部のプレイヤーとの協働経験によって蓄積された,エコシステム全体の知識が,その後の研究構想の形成において重要な役割を果たしており,実際に研究や技術開発のパフォーマンスに影響を及ぼしていること,企業のコーポレートR&Dにおける他企業や大学との共同研究における研究成果は,コミュニケーションや学習意欲などのような過去に指摘されていた要因よりは,むしろアジェンダ設定のジレンマ問題,すなわち何を学習するのかわからないにもかかわらず学習すべき対象を自社主導で決めなければならないという問題によって左右されること,および企業内研究の構想形成において技術的レベルで見た「多角化」が起こっていることを指摘したうえで,そこでは,既存技術の担い手が,新しい文脈の中で絶えず自分の知識の価値を回顧的に位置付け直していることを示した。
研究の一部は既にヨーロッパの組織学会(EGOS)にて先行して発表しているが,それに加えて,現在モノグラフと2本の報告を用意している。論文のうちの1本は,2011年度のヨーロッパ組織学会に報告予定であり,既に査読を通過している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 企業によるグローバルな知的資源の活用2010

    • 著者名/発表者名
      椙山泰生
    • 雑誌名

      海外投融資

      巻: 19巻3号 ページ: 32-38

  • [雑誌論文] フィールドワークの事業化-富士通におけるサービスビジネスへの転換2009

    • 著者名/発表者名
      前川佳一・椙山泰生・姜聖淑・八巻恵子
    • 雑誌名

      組織科学

      巻: 42巻4号 ページ: 21-36

  • [学会発表] Heritage of Collaborative Research and Creation of Business Ecosystem : An Empirical Study of Fiber Optic Communications2010

    • 著者名/発表者名
      Yasuo Sugiyama, Yoshiaki Takao, Ryoichi Kubo
    • 学会等名
      The 26th EGOS (European Group for Organizational Studies) Colloquia
    • 発表場所
      The New University of Lisbon, Lisobon(ポルトガル)
    • 年月日
      2010-07-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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