研究課題/領域番号 |
20330088
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
河原林 桂一郎 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (20387525)
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研究分担者 |
山下 幹生 京都工芸繊維大学, 国際デザインマネジメント研究センター, 特任教授 (00448010)
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キーワード | サービスデザイン / デザイン経営 / デザイン価値 / 感性価値創造 / デザインマネジメント |
研究概要 |
戦略的デザインマネジメントによるハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発の成功のための手法に関してアンケート及びインタビュー調査を国内電機業界(5社)に対して行った結果、競争優位のための定量的手法としての相関指標として企業内デザイン部門の事業領域(セクター)別投入人員比率、予算比率などをそれぞれの企業の売上高、研究開発費の事業領域別比率で割った指数を求め、ハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発に関する定量比較と経年分析を行った。この指数は、デザイン部門のハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発の主体である社会インフラや社会システム等への対応を数値として把握でき、デザインマネジメントのツールとして有効と考える。 企業内デザイン部門業務の外注化比率に企業の特性との相関関係が見いだされた。デザイン業務のソフト化への対応は、(1)外注業務で処理する企業(2)内製化する企業に大別できる。内製化する企業ほどソフト化比率が高く、ソリューションデザイン等への先行投資が進んでいる。研究開発費との関係ではデザイン部門のリソースの配分は企業の事業構造の変換に対して後れを取っている場合が多い。企業特性を反映したデザインマネジメント手法は、(1)統合型デザインマネジメント(2)コラボレーション型のデザインマネジメントに類型化された。 電機産業においては、製造業の付加価値が低下し、部品やコンポーネント、ソフトやサービスの付加価値が相対的に向上している。これに呼応するデザイン戦略として異業種間コラボレーション型の戦略的デザインマネジメントが見られる。ユーザーを取り込んだ商品開発を行いながら横断的な企業間のコラボレーションを進め、企業が単体としての事業からハード・ソフト・サービスを融合させた事業展開をするためのデザイン戦略が進行しており、デザイン部門が担う新たな機能として注目される。
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