研究課題/領域番号 |
20330089
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
藤本 哲史 同志社大学, 大学院・総合政策科学研究科, 教授 (50278313)
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研究分担者 |
中田 喜文 同志社大学, 大学院・総合政策科学研究科, 教授 (50207809)
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 教授 (60200474)
張 星源 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
宮本 大 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (30434682)
宮崎 悟 同志社大学, 高等研究教育機構, 研究員 (90533373)
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キーワード | 研究開発技術者 / キャリア / 能力開発 / ワーク・ライフ・バランス / モチベーション / 創造性 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)わが国の企業で働く研究開発技術者の能力開発とワーク・ライフ・バランスがどのように補完的に作用し合いながら仕事に対するモチベーションや創造的な職務成果の創出に影響を与えるかを探ること、および(2)技術者のキャリア開発に有効な新たな人的資源管理のあり方を検討すること、の2点である。平成23年度は、財団法人中部産業・労働政策研究会(中部産政研)の協力のもと、2011年9月から2012年1月の5ヶ月間にわたり大手自動車製造業のグループ関連会社7社において、一般技術者、管理職、および研究開発部門長に対する3層のヒアリング調査を実施し、技術者の働き方とモチベーションの実態、また技術者の人材管理の課題等を探った。その結果、近年強化されつつある残業時間の規制に伴い、技術者の働き方に顕著な変化が起きており、ワーク・ライフ・バランスが実現しつつある一方で、モチベーションの低下、仕事のやり残し感の高まり、また若手技術者の能力開発の遅れ等の問題が生じていることが明らかになった。これらの問題がより広い範囲の企業で起きているかを探るため、インターネット・アンケート調査を実施した(実施期間2012年3月1日~3月8日、総回答数4482人)。調査項目の集計から興味深い結果が得られている。例えば、「労働時間に見合った業務量になっていない」58.5%が該当、「仕事のやり残し感を感じる」62.6%該当、「納期が短すぎて納得のいく仕事が出来ない」55.6%が該当、「部下や後輩を十分指導できる人が減ってきている」72.6%該当、「ワーク・ライフ・バランスは取れている」56%が該当といったように、自動車製造業以外の業種でも技術者の働き方に類似の傾向が見られることが明らかになってきている。
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