研究課題/領域番号 |
20330098
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
内藤 文雄 甲南大学, 経営学部, 教授 (80188862)
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研究分担者 |
黒川 行治 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (10129421)
柴 健次 関西大学, 大学院・会計研究科, 教授 (40154231)
林 隆敏 関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
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キーワード | 利益情報 / ディスクロージャー制度 / 監査・保証業務 / XBRL |
研究概要 |
本研究は、より有用かつ有効な企業内容開示制度における利益情報の開示および監査・保証業務のあり方について、主要な利害関係者への意識調査にもとづき、利益情報の変容の事実の実証および要因の分析を実施し、かかる事実ないし要因に対応した、ディスクロージャー制度の改革ならびに財務諸表監査における情報の信頼性の保証方法および保証結果の伝達に関する提言を行うことを目的として実施している。 このため、本年度は、利益情報の変容を具体的に裏づける事実ないし要因に関する実証的な証拠を入手し、証明することを目標として、わが国の上場会社3,933社およびドイツの上場会社639社に対する質問票調査を行い、次の12の論点にわたって財務情報作成サイドの意識調査を実施した。(1)財務情報作成の目的と報告相手、(2)利益額と配当額または課税所得額の関係、(3)資本調達と会計情報の質、(4)予測情報の作成・公表、(5)会計基準の弾力性、(6)算定・開示すべき会計利益、(7)会計上の見積り、(8)これまでのわが国の会計基準のグローバル化、(9)これからのわが国の会計基準のグローバル化、(10)利益情報の性質・内容の変化と監査、(11)財務情報・非財務情報と監査・保証業務による信頼性の確保、(12)非財務情報のXBRL化。その結果、利益情報の変容が現実の問題として生じており、かかる利益情報の適正表示に関する監査におけるさまざまな問題点を浮き彫りにする調査結果を入手した。 また、利益情報の変容をめぐる内外の研究を渉猟し、利益情報の変容に応じたディスクロージャーのあり方および監査・保証業務による当該情報の信頼性の保証の実行可能性について理論的な分析を加えた。
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