研究課題/領域番号 |
20330104
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三隅 一百 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80190627)
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研究分担者 |
石田 浩 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40272504)
有田 伸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30345061)
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キーワード | 社会学 / 社会階層 / 東アジア / 国際比較研究 |
研究概要 |
第一に、昨年度に引き続いて、2005年SSMの日本・韓国・台湾データ、および他の国際比較データの二次分析によって、東アジアに焦点をおいた国際階層比較の成果を蓄積し、国内外の学会大会や研究会で公表して有意義なコメントを得た。とくに、国際社会学会階層部会の春季大会(2009年5月、北京・中国人民大学)では、ある程度まとまった成果を公表することができ、活発な議論とともに国際的なプレゼンスを高めることができた。第二に、分析方法論について、類型の背後にある社会的プロセスが理論化の鍵であることを昨年度の研究で確認したところであるが、今年度はそれをふまえて、職業の獲得機会や教育機会の国際比較に、マルコフ連鎖やファジィ集合質的比較分析(fsQCA)を応用して、具体的な方法を開発した。これらは、ある程度類似性をもつ対象グループ内部の異同を浮き彫りにするので、東アジア比較階層研究に適した分析モデルであることが示された。第三に、これも昨年度に引き続き、階層および労働市場の制度的な文脈に焦点をおいた比較階層論の進展を図った。今年度はとくに、若年層の労働市場への参入および就労形態の多様化に着目した分析と議論、および、年金制度と社会階層との関係に着目した分析と議論を集中的に行った。これらの成果も国内外の学会大会や研究会で公表して、多くのコメントを得た。以上の3点にわたる成果を12月の全体研究会に持ち寄って報告会を行い、研究会全体として到達点と問題点を確認・共有した。なお、海外研究者との連携は、今年度は個別的に行いそれを各自の研究成果に反映させた。
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