これまで継続してきた3つの研究、すなわち、1)既存の国際比較階層研究のレヴュー、2)2005年SSM日本・韓国・台湾調査データの二次分析による重要変数コーディングに関わる問題を軸にした分析モデルの検討、3)2005年SSMデータ分析をふまえた西欧階層モデルにもとづく標準的な分析の問題の検討、以上のとりまとめを、分析モデルの側面は研究代表者が、比較階層論の側面は研究分担者が主導して進め、6月19-20日に福岡で開催した本プロジェクト全体研究会議において共有化を図った。その際、台湾から研究者を招いて講演をお願いし、上記3点に関わる総合的議論を深めることができた。 上記の会議で教育・職業階層論、ジェンダー・世代論、社会移動論の班編成を確認し、以後はこれらの班を中心に、主に日本・韓国・台湾の「異・同」を一貫的に捉えるための解釈図式の精緻化と展開を進めた。その成果を、国際学会としては7月にスウエーデンで開催された国際社会学会(ISA)世界大会等、国内学会としては11月に名古屋大学で開催された日本社会学会大会等において報告し、多くのコメントを得た。また、それらの学会を利用して班別の研究会や打ち合わせ会議をもち、課題の共有と研究連携の実質化を図った。 それをふまえて各自が英語論文の執筆を進め、それらをとりまとめた研究成果報告書を冊子体とCD版で作成し、国内外の関連研究者・機関に配布して、本プロジェクト3年間の最終的な研究成果の公表とした。
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