研究課題/領域番号 |
20330111
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
是永 論 立教大学, 社会学部, 教授 (50275468)
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研究分担者 |
柄本 三代子 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (90406364)
浅岡 隆裕 立正大学, 文学部, 准教授 (10350290)
金 相美 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (10401241)
清水 真 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (30386445)
岡田 章子 東海大学, 文学部, 准教授 (80548008)
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キーワード | 言説分析 / 日本社会 / 劣化 |
研究概要 |
劣化言説に関する記事を経済と教育および若者におけるジャンルごとに収集し,その傾向を経年的な比較とテキストマイニングの手法によって明らかにした. 前年度に引き続き、劣化言説の流通が、受け手において言説としてどのように消費されており、個々にとってどのように意味づけられているかについて検証する作業として、首都圏の10の家庭を対象に、家庭における教育言説の流通および消費状況について調査を行い、結果を昨年度同様の形式により韓国で実施した調査結果と比較を行った。 昨年度に全国20代から70代の1000サンプルを対象に,質問紙による計量的な把握を目的としたサーベイの結果について、自由回答を含めた分析を行った。特に、上記で見られたような実際の劣化言説の持つ内容や流通の傾向が、宝際の入々における劣化に関する意識とどのように関係をもっているかを焦点に分析が行われた。 以上の調査に加えて、言説の生産者である送り手側について、インタビュー調査を行った。 以上の結果から、劣化が進んでいると人々に意識されている分野は3つあり、一つには〈教育・しつけ〉〈モラル・道徳〉といった時代の価値観とともに大きく変動するもの、二つ目には〈政治〉、さらには〈経済・労働・産業〉といったものであった。そして劣化は、実体験を通してという場合も多いが、それ以上にメディアなどや伝聞を通じて、理解・認識されていることも示された。また、ある劣化が他の劣化と連鎖するものとして認識されていることも明らかとなった。これについては雑誌メディアについても同様の傾向がうかがえる。また、受け手において、科学言説を援用したり、何らかの専門家によって繰り返されている言説をわがものとして劣化を語る姿勢から、科学言説との連なりが劣化言説を強靭なものとしていることが検証された。
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