研究課題/領域番号 |
20330115
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
荻野 昌弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90224138)
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研究分担者 |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
山 泰幸 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (30388722)
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キーワード | 社会学 / 文化人類学 / 民俗学 / 歴史学 / 哲学 / 戦争 / 記憶 / 負の遺産 |
研究概要 |
本研究の最終年度にあたる今年度は、太平洋戦争時における日本国内及び旧植民地、中国大陸など関連諸地域に関する現地調査及び関連諸機関との協力関係の構築に努めた。 本年度の主な成果は次の通りである。 (1)First Asian Anthropology and Ethnology Forumに出席し、戦後の中国少数民族の伝統舞踊の保存について報告を行い、中国、韓国を中心としたアジアの研究者との学術交流を行った。 (2)2010年中国芸術人類学学会学術会議にて、戦争の記憶に関する講演(招待講演)を行い、中国、韓国を中心としたアジアの研究者との学術交流を行った。 (3)中国雲南省にて、戦時期の要衝地が戦後どのように利用されてきたのか、雲南社会科学院の研究者たちと情報交換を行った。また、少数民族イ族の伝統舞踊の文化遺産化と観光の関係について調査した。 (4)東京都立中央図書館にて、戦後日本社会における土地活用の変化と、それによって引き起こされる社会問題(とくにいじめ自殺)に関する資料収集を行った。 (5)イタリアとの国境に位置するニースにおいて、戦没者慰霊碑等の戦争遺産の調査を行った。また、ニース市立図書館にて、ニースにおける戦後復興に関する資料を収集した。また、ドブロヴニク(クロアチア)の戦争写真博物館および民族学博物館において戦争の記憶がいかにして展示されているのかを調査した。 (6)ブリュッセル自由大学において開催された映像社会学シンポジウムにて、報告L'Approche sociologique de la violence des enfants par la production d'un film d'animationを行った。この報告では、「負」の遺産に関する研究をいかにして映像化するのかという点について言及し、制作映像を上映した。 (7)日本、アジア、太平洋、ヨーロッパにおいて、激戦の記憶がいかに残されているのか、本研究において調査したものについて、時系列的にまとめた「太平洋戦争とその遺産に関する年表」を作成し、成果報告書に掲載した。
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