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2010 年度 実績報告書

「統合的ケア(integrated care)」の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20330122
研究機関東北福祉大学

研究代表者

小笠原 浩一  東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (30204051)

キーワード多専門職連携 / チームケア / クリティカル・パス / 地域包括ケア / ケア・コーディネーション / 社会保障改革
研究概要

欧州で主流化した医療・保健・福祉・介護サービス提供システムのプロトタイプである「統合的ケア」について、わが国における「地域包括ケア」の今後のシステム構想への含意を含めて、総合的に構造分析することが、本研究の課題としたところであった。東日本大震災による研究期間延長期も含め、次のような成果を得ることができた。
第1に、「統合的ケア」には、WHOが途上国モデルとして開発した統合的プライマリケア、アメリカ発のクリティカル・パス、それに欧州における医療制度改革の3つの文脈があり、「統合的ケア」構想はOECDのケア・コーディネーション構想と並んで、先進少子・高齢社会における一括的制度改革の戦略手段であることが明らかになった。
第2に、「統合的ケア」は、フィンランド、スウェーデンの実践から、QOLと結びついたサービス・プロセス・エンジニアリングのイノベーションを伴うシステム構想であることが明らかになった。とくに、ICTの導入方法、専門人材の育成方法の改革、労働組織の合理化など、トータルなプロセス改革を内包している点が解明された。
第3に、「統合」と言っても、制度レベルの統合性推進とサービス臨床レベルにおける多専門性連携の2つの要素から成り立っており、目標の統合性とサービスプロセスにおけるチーム労働性は分別して理解すべきことが分かった。
第4に、わが国の「地域包括ケア」構想のように、「新しい公共」を含みこむところまでの展開は弱いことも分かった。
なお、現在、成果公開として『統合的ケア』(法律文化社)を執筆中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 保健・医療・福祉・介護政策の「地域包括化」と社会イノベーション・パラドクス2011

    • 著者名/発表者名
      小笠原浩一
    • 雑誌名

      社会政策

      巻: 3 ページ: 41-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会保障の将来選択-制度の長期展望と地域の視点から-2010

    • 著者名/発表者名
      小笠原浩一
    • 雑誌名

      生活経済学研究

      巻: 第32巻 ページ: 105-107

  • [雑誌論文] 経済危機下における社会福祉の役割-市場経済と社会福祉-2010

    • 著者名/発表者名
      小笠原浩一
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 51 ページ: 96-99

  • [学会発表] 保健・医療・福祉・介護政策の「地域包括化」と社会イノベーション・パラドクス2010

    • 著者名/発表者名
      小笠原浩一
    • 学会等名
      社会政策学会第121回大会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県)
    • 年月日
      2010-10-31
  • [図書] Practice-Based Innovation : Insights, Applications and Policy Implications2010

    • 著者名/発表者名
      Helina Melkas
    • 総ページ数
      367
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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